399 婉曲
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「ねぇねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ!」
喧(やかま)しい程のテンション
「スワっさん!さっきのちゃんと見てましたかぁ?」
少女はリズミカルに指先を動かし、小躍り気味に振り返る
のだが
「 はぁ、どの場面の事ぉ?話が抽象的過ぎないかしら」
返って来た反応は呆れ顔での溜息
対人コミュニケーションとしては深掘り出来ている為マシといった所なのだろう
しかしその良くも悪くも無い返答では話を逸らす事が出来ず
言葉の弾丸がぶち撒かれる
*読まなくても支障ありません*
「まぁまぁまぁまぁ見て無かったのはしゃ~ないんスけど聞いてましたぁ?店員のお姉さんっ! 自分の方寄って来て可愛い可愛いって言ってましたよね!?二回も!これはもう通常の二倍って事になるんじゃないッスかね~え? いやぁ品物もオシャンで良い物ばっかだったしもっと色々欲しかった~悔やまれるってもんッスよ~、あ!お給金もらったらまたあそこのお店行きましょうね?」
と長々一人で喋り倒し
羽織っていた大きめサイズの上着を振り回す
雑に扱われたジャケットは指先を離れるとそのまま風に乗り
「ちょっとぉ、人が親切に貸してあげた物を~」
本来の持ち主へと返った
のどかな昼下がり
ご機嫌な彼女ら?はつい先程カジュアルな服屋を出た所だ
本来の店に合わない額の買い物を終え
男が桃色の頭を小突く
「うがっ あはは!サーセンですしあざましたぁ」
一度、二度と頭を振り新調したばかりのコートへと袖を通す
「もぉ全く、と言うかアレは明らかにセールストークでしょう?」
「サセざマー え?」
「ほら!馬鹿な子みたいな顔しない、これだから田舎っ娘達は」
背の高い男は先にベンチへ腰を掛け
「突拍子無い事するんだもん困っちゃうわ?」
『意味の無さそうな』対話が始まる
「あ、言っておくけどアタシご馳走する分だけでお金貸す程持って来て無いから」
「えースッカラカンなんスけどぉ ってかアレはちょっとマジの「可愛い」入ってたじゃないッスか!?」
「また戻るの?」
「だって兎耳ピーンってしてましたし!」
「、、はいはいそぉね、そういう事にしておきましょ 変なテンションになってるからもうそろ寝に行きなさい?折角しっかりした宿を取ってあるんだから」
「ん~ぬぅあぁ、まぁ~そっすね? お腹パンパンで眠気スーパーですしお姉ちゃんとこ戻るとしまッス」
「ゆっくりするのは良いけど、寝る前に報告なさいよ?」
「うい」
「起きたら共有用にもう一回、分かった?」
「うぇ~い、そんなマッマみたいになんなくても大丈夫っスよ」
「帰ると決めたら一気に電源切れた顔してぇ、もう歩きながらで良いから連絡しちゃいなさい」
「あいあいあ~ んじゃピッポッパッポッピッと」
「 あ、どもどもぉ」
「レイ様!ちゃ~んとキドナっちに言ってくれましたかぁ?」
「あっははは、そ~すか まぁ、いつもの事ですし良いんスけどね」
「あい、問題は無いっちゃ無いッスよ? んな事よりレンちゃんも元気してますよね~ぇ?」
「あぁ、ゆっくりやすんでくれ 引き続き監視の程、宜しく頼みましたよ」
・・・
「と言う事です」
「ハハッ!流石のレイでも上手く転がせない人とかいるんだ?」
「えぇ、モノでは無いので」
それを見上げながら聞いていた少女?は
「 へ~~? へ~ ふふ、ふふふ、アハハハハ」
足元、それと着ている白衣をバタつかせ
「うふふふふ、面白いなぁ」
無邪気な笑みを浮かべる
「揚げ足でも取ったつもりで? いえ、まぁ単純に呼び方も失礼でしたか?それにしても彼女は少し特殊ですから」
「ふふ、あぁいやそういうのは別に良いよ、あの娘なんかは分かり易いったらないし なんだっけ『ウケる』だっけ アハハハハ」
「、、本題に戻りたいのですが?」
「あ~ごめんごめん、あまりにも最近キミも含めて馬鹿らしいからさ なぁに?」
「はぁ、キドナ、貴女の気まぐれが原因でもあるでしょう、、ヴェヌから報告もありましたが賢者の石を亡くすつもりであんな事をしたのですか?」
多少表情に出した男は少女
いや
悪魔へと詰め寄る
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