392 窮地
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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爽やかな朝
、、と言うには真っ暗過ぎて、学生であったとしても早過ぎるってもんだろう
そんな事など構う筈も無く
「毎度ぅ!ご機嫌いかがっスかー?」
元気一杯な声が届いた
ので
鳴った板を少し遠ざけ
「 ぇ~ 寒いし 眠ぃ」
三十路は嫌々ながら軽い伸びをする
決して余裕がある訳じゃない
我らが主役、とか言える立場じゃないんだろうけど、まぁ寝起きは良い方
だからって話ではないんだけど
「ってかギャルって朝早いイメージ無いんだけど」
軽い職業病だ
電話が来ると思って構えて寝てれば短時間の睡眠だろうが起きちまう
「おん?ギャル? ギャルってなんスか?」
「あぁ何でもない、良い意味だよ良い意味!続けて?緊急?」
二日酔いでもない限り、早めに脳は回る
「ん~ま~時間的には全然!」
「じゃあなんでこの時間にかけた!? ふぁ、え 何? ずっと起きてんの?」
「うぇっへっへ、ヴェヌちゃんは不死身なのですよ」
「は? マジで寝て無いって事?寝ろよ、美容に悪いぞ?」
「いあいあ~寝たか寝て無いかで言うと~ え~ 爆睡っスね!」
「寝てんじゃん、超寝てらしたじゃん! んだよ!爆睡って事は?ちょっと前に起きた系?こっちは昨日もバタバタだったてのによー」
「ふふ、お疲れ様ッス」
早朝からのこんなテンション、ナンダコレって思うか?
でも結構こういうのって職種によっちゃ普通なんだわ
まぁでも、俺の頭はもっと激しく回ってる訳で
詳しく言うなら
(単純に連絡出来なかったって事で良いのか? それなら いや、まだ『どっち』なのか確定しないか?)
とかって結構考えてて、なんなら
もっとだ
もっと誘導しろ
もっと喋らせて探れ
手法を
目的を
・・・
いや あぁ
分かったかもしれない
やっぱり
「向いてない」
「うい?」
「あ」
やっちまった
とも思わないのは
同時に自分の強みにも気付いたから
「ん? あぁ、声に出てた? はは、こっちの話 ヴェn」
「あ~そういえば昨日すっごい移動してました?お買い物ッスか?」
「ええ!?グイグイ来るー って?!やっぱりそっちー!?」
「は?何がッスか?」
「は?とか言うなって、結構傷付く言葉だからそういうの、、あんまり使うんじゃありません」
「っ ふふ、何で急にマダムっ!」
明らかに「草!」ってな雰囲気になったので
本題へと移る
「良かったなぁって話だって」
「う?」
「あ~ありがと ヴェヌさぁ」
「お?おっ、おぉ? 急っスね、でも突然の名前呼びでもキュンとかしねぇッスよ?」
「いや、名前に関してはさっきも呼び掛けたんだが!? ま、まぁ良いや、そんなんじゃなくってさぁ~、、あ~でもまずはさ」
「ケイちゃん連れてったのお前だろ?」
同時刻
「ねぇ」
「ねーえ ラフィ」
「ん ぅん、大丈夫 ダイジョウブイ」
・・・
「え?」
「う~、だから~寝るんならカセンとが良かったのに~」
疲労困憊(ひろうこんぱい)なんだししょうがないとは思いつつ
ペシッペシッ!
と白い頬を強めに叩く
が
こうかはいまひとつのようだ
「起きてよおおお もぉもおおお”この娘、起きない時ってずっと起きないのよね~も~なんなのぉ? 森の時程頼りになると思った事無いのだわ~」
日頃、上品に決めている、、と思っているからこそ
「起きてよ~ もぉ、ねぇ~え!」
幼女は大きめの声を上げる
それもしょうがない
なんせ
動けない
単純に170㎝が140㎝に覆い被さっている訳では無く
日大〇ックルの様にしっかりとウエスト周りを抱え込まれている
、、それだけなら寝て過ごせば良いのだが
ペシッペシッ!
ペシッペシッ!
「ねぇってばぁ」
ペシッペシッ!
ペシッペシッ!
持ち前の吸血鬼たる腕力を使い、剥がしてしまえば良いのだが
(色々あったって聞いたし 可哀そうよね)
根が良いからこそ
「、、ぉ」
「おしっこぉ」
自らを苦しめる
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