335 死鳥
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「活気があって結構、だが両者共に少し頭を冷やすと良い」
穏やかな表情で主に部下の軍師を見つめる
「ふん、冷やすも何も 私は冷静であるぞ?ディーン王」
「申し訳御座いません 見苦しい所を御見せしました そうですね、吸血鬼から始まり魔族側の失態、続く様にキメラの件もありまして 少し熱が入っておりました」
腕を組む者
腰を折る者
そして
「ちょっと待ってよ!キメラの件って それは僕のせいって言いたいの?」
鎮めた所に再び油を注ぐ者
「当たり前でしょう、フェリスの逃走は二度目 しかも今回は首輪も無い、と 私とニールだって暇では無いのですよ?」
「それわさ~ごめんだけど~ でも代わりに良いデータが取れたじゃない?」
「はぁ、賢者の石だってそうですよ?二つ共に確保出来ていませんよね」
「レイ」
諦め半分に詰め入る様な軍師の発言を王が遮る
「今までは全てお前の計算通りに事が進んでいたので気持ちは分かる、だが今はキドナを諭(さと)す時ではあるまい」
「、、失礼しました 二度までも この様な」
「あぁ構わんさ 本当に助かっている、引き続き頼むぞ」
「あ~はいはいそういうのは他でやってよ、それに石の場所は分かってるんだし良いじゃないか なんだよ、僕が居ないと創り出す事なんて出来ない癖にさ~」
口をひん曲げ眉を寄せる
その肩に
少女が優しく触れる
「まぁまぁキドナっち、折角収まったんだから此処は穏便にお願いするっスよ」
「ふ~ん、まぁ良いや ねぇバミーが言う様にこんな事の為に招集(しょうしゅう)かけた訳じゃないんでしょ? 僕やる事いっぱいで忙しいんだけど」
つまらなそうに頭の後ろで手を組み直し
確認する様に後ろを振り返る
『ソレ』を軍師も黙認してから向きを変え
しっかりと一礼を行い報告へと入る
「キドナの施設は放っておいても問題ありません、どちらにせよトップが居ない状態で長くは持たないでしょう、、しかし早めに彼の安否だけは確認しておきたい所です」
「そう思うか」
「まぁ生きていたとしてもその譫言(うわごと)レベルではどうとでもならないでしょう、ですが追加で石を生成出来るのと獣を誘き寄せる撒き餌になるので確保しておきたいですね 正直首輪無しのアレとまともにやり合いたく無いもので」
「ならば一部隊を施設へ張らせるか?」
「一人だけあちらの、室長キドナの息がかかった者がいましたから隊長格の者に強制捜査させるのも良いかと思います」
「暴動の様な影響もソイツと言う訳か」
「影響力がある訳では無いので長くは持ちませんよ」
「もう一つの石はどうする」
「そちら側に、、アレを」
軍師は王の前を空ける
「またソイツらか、これで三度目 流石に処分したと思ったのだが」
「えぇ確かに王の見解は正しく思いますが今回の要因がまだ不明、ですので大目にみようかと、みてくれももはや魔物に近いかもしれませんが能力に変わりはありません」
「ククク、回収はして来てやったがまさかの再利用とは 賢者が聞いて呆れる」
細身の男も後方を振り返る
「そ~お?僕はそうは思わないけどな~ だって折角なんだし可哀想じゃない」
白衣を引き摺り、少女 いや
悪魔は
継ぎ接ぎだらけの『ソレ』に手を置く
「試作品でもこいつ等は僕が初めて作ったキメラだからね、どうせならとことん使ってあげないと ね?」
意識 と言うモノを成している様には見えない
ふらふらと右へ左へ動く
朦朧(もうろう)とした
翼人
バードマンの頭部と思われる
そうであった箇所を優しく撫でる
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