321 混血
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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「実際、王都の様に人が多い所で探せばハーフの方くらいは見つかると思います」
「まぁ見なくもないですよね」
従者の解説に続けてバルが台詞を並べる
これは中々人の話を聞かない連中や遮る言葉から流す為だ
(流石です! このまま分かり易くしてくれるとおっちゃん凄く喜びます)
なのに
「今じゃ~隠れ住んでるって訳でもねぇし姫様みたいなハーフエルフも偶に見かけるよなぁ~ あ、ジンさんコレお願い、、ってこれは俺らエルフにしか分からん話なのかな?」
チャラ男が律儀(りちぎ)にカウンターまでおかわりを要求しに来た
「あ~確かにそうじゃな、目立つ種族は分かり易いがあっしらにゃエルフもハーフエルフもぶっちゃけ一緒に見えるからのぉ どっちかってぇとラフィよりはそっちのカエデのが違う種類に見えるってもんじゃろ?」
「、、良く言われます」
素直な感想だったのだろう
が当人は何処か目線を逸(そ)らした様にも見えた
ので
「まってまって、なんでちょっと暗くなるの?健康的で良いじゃない褐色美人!ってか俺も気になってたんだよ 悪い意味時とかじゃないよ?単純にさ エルフに種類とかは無いの?」
変顔を解除して話に混ざる
「一昔前はその様な問題もあったみたいですが我々の様な若いエルフからすると昔話を聞いているのと変わりありません」
「あ、そういう感じかぁ やっぱあるんだ?」
(もうマッチョメンがシフとバルの横に行けよ!)と思う程的確な答えをくれたので簡単に想像ついた
(黒人白人問題じゃん)
いや、、ぶっちゃけ
大きな括(くく)りで言えば日本でもそうだ
受け付けられない種類の人、それを頭の固い連中はずっと受け付けない
多分これは簡単に変わるものじゃなく、、ってか悪口みたいになっちゃうんだろうが
死ぬまで変わらないんだと思う
年配の方全員がそうじゃない、けど『そっち側』のが大分多いってだけ
しょうがないさ、変わらない方が楽なんだよ
って!! このくらいにしておかないとBANされr
「分かり易く言えばドラゴンの末裔なんて言われてるリザードマンだって魔力持ちだかんな」
亭主が一人燥(はしゃ)ぎしていた所を巫女が助ける形となった
「っつか世間が勝手にレアモノみたいに広げてるだけで私からしたら魔力持ちなんてのは不自然でも何でもねぇんだよ、気にもして無かったから混血種がどうのなんてのは知らんかったがな」
「カカカ、だからこそ盲点じゃったんかの?」
「うっせぇよ んでもまぁ鬼は魔力持ちなんていない筈だからな、てめぇが別物だってのは大分前から分かってはいたんだ、、まぁまたズレるからさっさともう1パターンの方はよ言えや」
(フォローに来たバルも可哀想に、一言だけしか喋って無いですやん)
「はいはい、えーっとですね」
従者が手を叩き注目を戻す
「シエル様で無くても魔力持ちの人達が何かの拍子で力を使える様になったのであればソレは簡単に世間に広まる筈なんです、特殊な才能みたいなものですから でも言われている通りレアモノ、魔法を扱う方々と言うのは珍しいと言われている、、要するに『実用化出来るレベルの人が少ない』 と言う事だと思います」
「どういう事? 元々魔力持ちなら自然と使えるんじゃなかったの?」
ツインテールが久々に声を上げる
「あー簡単に言えばあれだ、混血だからって火事場の火を消したり火の玉作って飛ばすレベルってのが珍しいって事だ、ただのハーフなんてのは魔力があろうが微弱であり魔法学校ってのを卒業してるやつでさえソコまでの芸当は珍しい だからバランスを崩さねぇ様に私も情報を広げねぇんだよ」
「チョットヨクワカンナイ」
ってツインテールも俺と同じ様な顔をしたので
「ソレナ!」
とか言ったら「一緒にするな」と言わんばかりに眉を寄せ、俺の焦がした鍋を雑にほん投げる
そして加勢するかの如く
「ジンさん洗い場にお湯はかけましたけどもう重ねられないので~、あ、私はいい加減休憩頂きますね?」
お利口だ
まとめるまでに長い長い飲み会は素面(しらふ)には本当に
長いのかも知れない
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