314 前振

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



3/5 20:40


「カカカ、アルはやっぱり良い子じゃの~頭パンクしそうな駄目巫女を寝かせてやっただけじゃよ?  虫の気ぃさえも頭に入って来てたらしいんでのぉ」

赤鬼が少女の前まで来て、頬に触れてから続ける

「強がりでどうにかならんて、植物が少なかっただけ良かったってもんじゃよ」


(やっぱりカセンの言ってる事は良く分からない)


とは 流石に思わなかった   だけど、、


あたしなら そんな




好きな人の首なんか絞めれたかな




ツインテールの口元は何か言いたげに揺れているのだが問答無用とばかりに頬から頭へと撫でまわされている


ワンクッション置かれたバルも空気を呼んだからこそ軽く笑みを浮かべ

「俺は例の黄金が凝縮(ぎょうしゅく)して固まった物かなんかだと思ってたんですが、偉いもん口にしましたよね?」

少女の腕を掴んでいる少女?の方へと話を振る


「ぁぁん?」


溜まった分の仕返しにでも見えたか



ボスッ



珍しく善意ある証人へさえも悪意のある拳(こぶし)が入った


「ふぐぁ」


「あーあー、バルまで犠牲者にするのはちょっとアレじゃないですか? 今からそこそこ真剣な話になるのに空気もグダグダにしちゃって~」

と軽い台詞を吐きながらも残りの品を配り終えた従者の表情は真剣、、なのだが


それは直ぐに掻き消された


「ど! どどどどうしたんら?巫女ろの、私 わたsも まだ まだまだま」

「は~い、心配なのは分かるけど今日はもう寝なさい、代わりに私が聞いておくから」

「いや、姉さんも此処居て下さい」

「スティルはジンさん手伝って来な!」

「ケイちゃ~ん本当はもうあげたくないけどこっちにもう一本持って来てくれる?」

「いや、もう水で良いだろう? すまん、持って行くから幾つか注いでおいてもらえるだろうか?」


・・・


「あれ?エルフって賢い部類の種族なんじゃなかったっけ?  あ、こっちにももう一本ね」

天狗が手酌を終え次の瓶を忙しそうにしている少女に頼む


「あ、はい こっちにお酒、エルフさん達がお水」


「ご飯がもう無いです」

「なーい!」

「何でも良いから持って来ーい!」


「えっと、猫ちゃん達はご飯、っと はい! ただいまー  あの、すいませんジンさんこれメモです」



「あ、あーうん、ありがと  いいね 助かるわ」

(いやソコのツインテールも働け!!   って言いたいけど進行役的にも丁度良いんだよな~ しょうがね~)

「えっと、ケイちゃんだっけ? ドリンカーは頼むわ~、水はあっち 酒は一番奥の以外は適当で良いから、駄目なのは本人から多分言われるしそれで覚えて」


「え、ええええ」


「猫連中のと『巫女様用に!』ご飯系やるからヨ ロ シ ク!」

気持ち悪いウインクを決め、薪の調整に入る



その台詞と、周囲の様子もあり



「っだぁ!クッソ分~かった分かったっつの アルもてめぇ、もう熱くなんな」

観念した様に巫女が少女の尻を軽く叩(はた)く


「なっだっ! べぇ、別に、熱くなってなんて」

「隠すつもりもねぇから全部羅列してやる、聞き漏らしがどうのとかは知らん、、寝てる奴らには後で適当に言え」

巫女は赤鬼から一升瓶を奪い


一気に飲み干し




切れずに




多少バシャバシャと口元を汚した









カセンが細首を絞め意識を飛ばしてから二時間しないでシエルは眼を覚ました

彼女が起きた時には既に記憶を読むと言う様な例の力は無く、多少なれど気持ちとばかりに魔力量だけが増加していたそうだ

本人曰く


「消化したんじゃね?」


との事


そして

「勝手に頭に流れて来るってのもあったが基本は私が知りたいと考えたモノから観えたりもしたんだわ   例えば、、あー」

巫女は店のマスターを見てから何人かを見渡し

「いや、物分かりの悪ぃ奴が多いから順番に行くか  とりあえず私にもおかわりよこせ」

中心付近の椅子にドカっと座る



まぁ、順序だててくれるのはありがたいのだが


(もう少しだけオブラートに包んでくれても良くね?)


そんな主人公の気持ちなど汲まれる事は無く


いつもの失礼な言葉で語り始めた


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