315 素材
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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まずは
『ドラゴンオーブ』
あのドワーフ、ギンの本来の目的について
当人も百パーセントは理解していなかった様子だが、あくまで素材として使いたかったんだとか
回想で聞いた通りまずは成分やらを調べて魔宝具的な武具を大量生産したかったっぽい
それと
「アイツの持ってた剣あったろ」
一声すると同時にシフが倉庫から持って来た
(戦利品と言ってた剣じゃん、戦利品ってそういう事!?)
この剣は何年もギンが試行錯誤した作品らしく
あと一歩、完璧させるのに何年もその『素材』を探していたとの事
オーブの製造方法については齧(かじ)った程度、、と言うより
「設計図もクソも無ぇ、っつかこれも説明しておくか 魔宝具自体もなんら変わんねぇんだよ」
「ナニソレドユコト?」って口に出して聞きたいが聞ける空気じゃないので黙っておくとする、なんせ
巫女様はご立腹である
これは記憶を読み取るより前、一度目のドラゴンとの対話を終え帰る時に問質(といただ)した事らしいのだが
「んで? 魔宝具ってのはなんだ? 詳しく知ってる限りを喋れボケ」
「え、え? どういう意味ですか?」
「一から聞くぞ? そもそもてめぇ 何でコレが魔宝具だって知ってんだ?」
カセンの腕を指差してから詰め寄る
「へ? え、いや だって な、なんの事」
「初っ端(しょっぱな)から分かる奴じゃなきゃあんな台詞でねぇ~だろが ぁ?」
それは【あ、そうだ 証拠として心臓を持って帰って来てよ、そうしたら土産に一つ魔宝具をあげるからさ】と言うギンの台詞だ
「魔宝具なんてもん知ってる奴は限られんだよ、知ってる事吐き出せコラ」
ここから先は何から話そうかグズグズしているおかっぱに巫女が一問一答形式で聞き込みした見解だ
ドワーフ曰(いわ)く魔宝具には二種類あり、製造にも『似た様な素材』を使うのだとか
一つは神父の力帯や褒美の手甲、シエルが言うには魔力が感じられないモノ
そして二つ目、これを仮に『真宝具』とでも呼ぶとしよう
こちらは生命力の感じられるモノでラフィの剣とバルの腕輪がこれに当たるのでは?と考えたらしい
だがコレら全て
巫女がイラついている理由
要は
例の
『賢者の石』
それと同様でエネルギーを結晶化した物
だから
生贄が必要な訳で、、
「誰かの命を使って兵器作りとはな、胸糞悪ぃ ジジィがあの布っ切れを所持してた理由は分からんが明らかに自分用の装備を作らせたと見るべきだろう、知ってたんだったらもっかい殺すべきだな」
軽口の様に並べた台詞だが恐らく本心だろう
舌打ちを鳴らしてから本題へと戻った
肝心の首謀者(しゅぼうしゃ)
オーブの製造方法をギンに叩きこんだのは何を隠そうキーロが残してくれた動画に映っていた少女
キドナだ
「奴(ギン)の記憶から観えた映像上だが、妙なガラス玉みてぇな物をトカゲの黄金と一緒にしておいて飲ませる様に誘導した、、そんなトコだな っつか私に対してはクソドスケベな感情も流れて来たから正直そっちのがしんどかったっつの」
「うへぇキッモ」
「色々終わったら鼻辺りも落としに行きましょう」
ツインテールに続いて従者が物騒な事を言い出した
「い、一応苦手ではあるのですが私の顧客なので加減して頂けると~」
「へぇ、小難しいドワーフ連中ともやり取りしてたんだ? 俺はどうもあ~ゆ~奴ら苦手でねぇ」
珍しく天狗が行商人に話しかけている
のでここだと思い便乗してみる
「そうなんだよ、ドワーフからの依頼系持って来てくれたのリッツだし ってかライアも情報通なんでしょ?色々知ってる事あったらこの際なんだし企業秘密とか言わないで教えてよ」
「色々って言われてもねぇ~、あぁでもアレか そのドラゴンを殺した連中は知らんけど意味不明な隠者の方」
「お~ライア知っとるんか?」
「それ多分」
「死神」
酒豪の鬼とは別の種類
危険な臭いのする神の名が上がった
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