303 菌網

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



2/25 23:30


「ずすっ、、ふふふ  でも、ウケるね」

ツインテールの少女が軽く鼻をすすりながらニヤニヤと


こちらを伺う


「はぁ?こんなんお前別に˝ぃ、、ん˝っう˝ん! んん   ウケはしないっつの」

悪ふざけで煽(あお)って来た訳でも無いだろうけど誤魔化す様に早口で進めてしまった

けど、って言うかだからこそ? 罰が当たった様に途中で痰(たん)が絡んだ



まぁ   気持ちは分かる

いや、未成年者からしたらウケるでしょうね!

(あなたには分からんでしょうねぇ)

そりゃそうだわな、俺もそんくらいの年ならアルよりも多分煽(あお)ってた筈だ


だって

大の大人がよ?



幼女の胸元にしがみ付いて号泣よ!!?



嗚咽(おえつ)とかそんなんじゃない、火が付いた様に泣きじゃくったよ

治まるまで、たぶん  10分くらい、それくらいはヒックヒックやってたんだ

(嘘ですごめんなさい20分以上ですしヒックヒックなんて可愛いもんじゃなかったですはい)


正にどこぞの議員、、とまでは言わないが気恥ずかしいどころの騒ぎでは無い訳ですよ



「あ˝ぁ~もう はいはいはい、んな事もう良いだろ?良いから、ほれっやるんだろ? 早く準備しろ」

少女の方は見ず、カチャカチャと手元を動かす


「あ!ああっうん、そだねやろうやろう、、って!! くっさ 待って!?ナニコレちゃんと洗ったぁ!?」

少女は口元を歪ませコチラを、、何故か睨(にら)む


「洗ったわ、こういうもんなんだって  あぁそっかアル初見だったか」

(俺も此処に来る時が初めてだったし偉そうな事は言えないんだけどね)

からかわれた仕返しとばかりに顔へと近付けてみる


「ちょっ、ちょお やっ、ちょっと待って」



この臭いの発生源

元になっているのはキノコだ


大号泣事件の前、急いでシャーマンの住処へと戻るちょっと前、木の洞(うろ)から出てラフィの背中におぶられる時の事

「む?おぉラッキーだな、持って行こう」とか言って何かを捥(も)ぎ取り、腰元の袋へと入れた

(何か臭うな~)とは思いながらもロゼの話になったので気にしてもいられず、、そのまま到着

帰郷時と同じ様な光景でラフィはバァ様に抱き付いた

それに対しての対応も以前と全く同じ様に「くちゃいくちゃい、先お風呂入っちゃいな~」とか


そんな柔らかいものでは無く


「くっさ! ちょ、ちょっとラフィ!!離れて 一回離れて! 臭い臭い!」

と突き放そうとしていた

だが目の腫れた娘を確認して観念したのだろう

少しバタついてからそのまま風呂場に連行して行った


キヌガサタケ

キノコの女王と呼ばれるウン〇くちゃい種類のキノコ

その臭いで周囲の虫を集めて胞子を他へと撒くらしいのだがその影響で直ぐ食い散らかされる事もあり、中々お目にかかれる物じゃ無いんだとか


んでまぁ、泣き止みつつ? 話を逸らすかの様に「スス、スープでも作るわ」って言ったらツインテールも「あ!それならあたしもやる~」とか付いて来たって訳で

今に至る



「ほれ!ちゃんと持てよ~、やるっつったのお前だろ?」

俺だって好き好んで持ってる訳じゃない

早く茹でちゃいたい(※茹でると臭いは大分消えます)のも事実なのでぐいぐいと少女に詰め寄る


「やる!ちゃんとやるから 待って! 心の準備があると言うか何と言うk」

「グダグダ言わない、さっさとやっちゃわないと二人共風呂上がっちゃうっつの」

間髪入れずに手を握りまな板の方へと引っ張る


「ひっ、いやぁ!も~やめてってばぁ!」

汚い手で触れられたかの様に嫌悪感丸出しの声と表情

コレはコレでショックである


「な~んだよ、だったら俺一人でやるっつの  上手くなりたいっつったのお前じゃん」


「うう、そうだけど 見た目も なんかグロイし」


「そ~か? ニオイはアレかもだけど他のに比べたら可愛くない?」

「可愛くな~い~!」


「へいへい、さいですか、まぁ何でも良いけど早くしろよな~  った~く、人が優しく教えてやるっつのに」


「あうぅ、、それは その~ 教えて欲しいけど~」


「欲しいけど~ じゃねえよ!良いからほらっ、ちゃっちゃっと終わらすぞ」

いい加減面倒になったので憎たらしい物真似をしてから火の焚いてある斜め後ろの鍋へと目を向ける、と


バスタオル姿のシャーマンが「キャー」とでもいう顔で覗き見ている


「え?  何してんスか?」


「え~いや~まさかとは思ったけど、あ~びっくりした! そうだよね~あっはっはっは」



そしてもう一人



「あうあうあう あええ、えええっちなのはその、む、無理矢理っは、、良くないと お、おもうぉ」


半分近く隠れていないエルフが真っ赤な顔をしてとんでもない事を言い出した



・・・



のでとりあえず


「いや 「ぉ」 っじゃねぇし、良いから服着て来なって!」

場を読んで惜しい事を口走った







正直

何言ってんだあの天然らは



とも思ったのだが



二人の会話はそう聞こえたらしい



《下ネタは苦手ですが茶番書いて読み返したら あれ?!ってなったのでそのまま乗っけてみました》


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