257 合流
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/24 12:30
「今日もお花の採取ですか?」
「お花、あ~うんうん、薬だけじゃないんだけどね~」
少女の問いに対し全体的に淡い色の女性が別部屋から声を上げる
「まぁ日課みたいなものだから~、ほら!ご飯の材料とかも含めてね」
大きめの帽子を深く被り直してから部屋を出ると少女の顔を見てから微笑み
入り口近くの籠(かご)へと手を伸ばす
「あ!じゃあ今日はあたしも付いて行って良いですか?」
ツインテールの少女が先に籠(かご)を抱え上げる
「え、え~大丈夫?」
「ちょっと胃もたれ?みたいな感じはあるけどもう随分痺れとかも無いし、って言うかそろそろ動かないと身体鈍っちゃうもん」
少女は有無を言わさず籠(かご)を背負う
「う~ん、汗をかいて出しちゃうのは良い事だけど~」
「じゃあ丁度良いじゃ、、ですよ、大丈夫大丈夫!」
「そ~お?でも無理はしないでね?」
「はい、あ、でもその前に」
少女は一度勢い良く向かった扉付近でつっかえ、、ながらベットの方へと戻ると
未だ目を覚まさず苦しそうに唸っている犬耳のタオルを取り代える
「コレで良しっと、、それと~」
頬を撫で、体温を軽く確かめてから窓越しにいる恩人を抱える
「今から陽があたる場所って庭の方ですかね?」
「あぁそっか~、うんうん裏庭の方が照って来る筈だよ~」
「了解です、じゃあ置いて来ちゃいますね」
少女は背負った籠(かご)とツインテールを揺らし
足元からカチャカチャと音を鳴らす
・・・
(本当に良い子、こんな、この子達がライア君の言う通り、、占いの通りなんだったら)
「オッケーです良さそうな所に置いて来ました~行きましょ~!」
「ん、うん 行こうか」
(私は、どうすれば)
「あたし結構動けるんだからいつもの倍は取っちゃ、取っちゃいましょう?」
「ふふ、ほら!汗かいちゃうからタオル巻いて」
(どうするのが正解なのだろうか)
「あう~疲れた~」
「大分歩いたからね~早めに切り上げて良かったでしょ?」
「うぐぐぐ、こんなはずじゃなかったのに、うぅ背中と腰が痛い~」
「あははは、若いんだから~」
「違うの!やっぱり身体鈍っちゃってるんだ、、ですよ~」
「ふふふ、寝っぱなしだったしね~、、あら?偉く小さな子が、こんな所でどうしたのかしら?」
二時間程で籠(かご)をいっぱいにした二人は陽の当たる裏庭へと戻って来た所だ
「うわぁ何あれ~シエルよりちっちゃい!どうしたの~?妖精とかそういう種類?」
ツインテールは背、腰の痛みを忘れ目の前にいる小さな生物の元へと駆け寄る
「え?にんげ」
「迷っちゃったと、か!?」
振り向いた幼女を見てピタリと停止した
膝を折り、目線を合わせた距離は目と鼻の先
幼女が右手で鷲掴みにしているソレの腹部分がワキワキと動く
「、、ぴ」
「いいいいい˝やああああああああぁあぁぁああ」
ツインテールが咄嗟に払った幼女の右手
から弾かれた芋虫の様な何かの幼虫が後ろにいた女性の服に張り付いた
「キャーーーー」
またも払われた虫が宙を舞う
それと共に
「なにごとかしら?目覚めて早々にこれだけ煩いと少し不愉快なのだけれど?」
幼女の目線より少し上、植木などと共に並ぶ生首から声が出た
「わああああああ」
見上げた棚に拳を振り上げ、固定していた金具が破壊された
偶然か必然か
梃子(てこ)の原理で勢い良く跳ねた生首
その両方が
駆け付けた三十路の頭部に直撃する
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます