242 保護
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/21 20:30
「ごっはん~ごっはん~」
「疲れた~」
「ご飯良いや、寝る~」
「私も」
「え、もったいない、、あ、でもその前に」
にゃんにゃん言ってるくノ一達の中、いつも通り気の利いた中間管理職が部屋へと入る
「どうですか~?一緒にご飯食べませんか~?」
「、、はい」
「おぉ!そうですか~良かった、じゃあ作ったら持ってきますね~」
扉は開けたままに、キジ柄は尻尾を揺らしながら火の元へと向かう
「へぇ、何?憑き物でも取れたの?」
「随分と素直になったね~」
ぶち柄と長髪の三毛柄が顔を出す
「隙でも伺ってるのかもよ?」
声の高い茶トラだけは軽い悪態を吐くと我関せずとばかりに毛布の方へと向かう
「姉さんはまた~」
「そうだよ~アルの姉ちゃんも良い子なんだからこの姉ちゃんも良い子な筈だよ~」
猫忍達は本日の仕事を終えてから早々に次の依頼受注へと向かった
隊長であるライアが前日に受けたモノだ
何匹かの猫達は少し面倒に思いながらも渋々と店に立ち寄った
その後お願いされていた人物を連れ
住処、天狗山の奥地へと到着した所だ
「はい、出来ましたよ~」
「ごっはん~ごっはん~」
「しかし、あんたもそこそこ体力あるんだね?速度は落としてたけど大したものだと思うよ」
長髪の猫は自らを撫でていた櫛(くし)を懐に仕舞うとキジ柄から器を受け取る
「うんうん、むぐぐ、でもこんな山の中まで疲れたでしょ~?」
「あず食べてから喋ると良いですよ~、あと口の周り!」
と言ってるキジ柄の口元にもつまんだ後がちらほら
「お!帰ったか、ってあれ 俺の分は?」
大柄の烏天狗がノックなどせずに入って来た
「隊長も食べるですか、持って来るですのでちょっとお待ちを」
急ぐ様子は見せずに自分の分を頬張り、咀嚼する
「、、まぁゆっくりで良いけどさ」
ライアは雑に胡坐(あぐら)をかくと面を外し、少女の方を向く
「っで? どうせ逃げらんないから腹括(はらくく)ったって感じか?」
「半分だけ、諦めたと言うか、そんな感じです、不思議と日が経つにつれ記憶が曖昧でして」
「あ~?そういえば巫女さんも魔法以外のなんかしらがある、みたいな事言ってたなぁ」
(情報漏洩防止策(じょうほうろうえいぼうしさく)ってとこか?)
「悪い事をしたのに足も、治してもらったし、もう良く分からなくて」
「むぐむぐ、エバちゃんにもごめんなさいしないとですね、よし、隊長の分持って来るです」
飲み込むと同時に自分の椀(わん)を手に持ちキジ柄は部屋を出る
「ん、宜しく~、、まぁなんだとりあえず、生きて行くには飯を食わないといけない訳だ」
「その為に働かないとだね~、さ~お風呂入って寝よ」
三毛猫も食べ終わったのか器を持ち、席を立つ
「そういう事だな、監視ってのもあるがしばらくは此処らで暮らしてもらうからそのつもりでいてくれ、下手な真似はしないと思うが基本逃げられないのは分かるわな?」
「、、はい」
【依頼?俺らにか?】
【あぁ】
【知ってる?これでも秘密の部隊で通ってるんだけどな】
【やっぱり高い?】
【いや、そういう事だけでもなくてさ】
【頼むよ、アルも含めてだけどさ、あっち側のやつらからしたら捨て駒とかそういう存在なのかもじゃん?分からないけど、、それであの子はさ失敗した訳だ、って事はさ?狙われる可能性があるよな?】
【普通に考えれば消されるわな】
【だからさ!匿(かくま)ってやってくれないかな?カセンなんかがいる時ならなんとかなるんだろうけど、一人で置いておく訳にもいかないし】
【はぁ、出会ったばかりの良く分からん小娘の為にね~?お人よしだ事】
【頼む】
【頭上げなって、何をするって訳でもなさそうだしあっちに連れてくだけで良いか?】
【ありがとう、助かるよ】
【あ~、ただむしろコレはライア隊としてなんかじゃ受けられないから、そうだな~あ、じゃあコレで良いじゃんか】
烏天狗は壁に貼り付けてある依頼表を一枚千切ると亭主へと渡す
日時:明日から
場所:喫茶店の物置
内容:アル姉妹の保護
依頼主:新島 仁
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