202 計略

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい




「ははは、ははははは」


「ふふ、随分とご機嫌ですね?」


「あぁ!あの小僧、見られていたとも知らずに私を出し抜こうとしたのでな、実に面白い  魔力持ちであればもっと使い勝手もあったのだが」


「分かります、あのポジション 上手くやれば彼女への発破、触発や操作にもなり得ます、、が残念です」


「そうだな、いや、惜しい実に勿体無い」


「別の者を探しますか?一人思い当たる節もありますが」


「いや、構わんよ折角のチャンスだこの機会逃す訳にもいかん」


「承知しました、それにしても最初からヤツが回収していたとは、、私が遺跡まで向かった意味が無かったじゃないですか」

年配の男へと視線が動く



・・・



「まぁ彼に言っても仕方あるまい」


「失礼しました、そうですねアナタは十二分に動いてくれていますね」



・・・



「いつ頃こちらに届きそうですか?」


「、、二月(ふたつき)もあれば」


「なるほど、ではそれまでは私も準備期間とさせて頂きますね」


「来るべき時の為にゆっくりと休みじっくりと準備を進めてくれ、、やっとだ、やっと第一歩なのだから」




(しかし、彼は何故嘘を吐いた?何を疑っている?  まぁ、念の為彼女には共有しておこうか)







「悪く思うなよ?  フェレス   ユドラ」











2/9 19:30


「ニール、いますか?」


「はい」

ツンツンした青い髪を軽く整えてから扉を開ける


「考えましたが王はアレを必要以上に守りたがるので今回の機会に始末しておきましょう」


「宜しいのですか?」


「器としては申し分無さそうですが今後アレは危うい、、まぁあの吸血鬼だけはグングニルでも殺せるか分かりませんが」

金髪の男は申し訳無さそうに眉を寄せてから眼鏡を上げる


「では魔族の情報でも流しますか?」


「そのままで十分ですよ、吸血鬼の討伐とでも伝えればレッドナイトも共に向かうでしょうからそうですね、、彼らにも向かってもらいましょうか」


「オーク連中ですか」


「えぇ確定が欲しいので通信機を持たせましょう、森の中とは違ってあの距離なら届くでしょう、それとついでに足止め役として彼も向かわせて下さい、役目を終えているのでどうでも良いのですが小型銃くらい与えておいて下さい」

胸ポケットから鍵を出すと従者へと放り投げる

「あぁそれといい加減あの店も潰しておきましょうか」


「、、そうですね、自分もレッドナイトがいない隙に叩いておいた方が良いと思います」


「何故でしょうね?毎回あそこだけ上手くいかない、虫共もそろそろストックが無いので獣でも向かわせましょうか」


「使いはどうしましょう、下手なのだと逆に食われかねません、、私が行きましょうか」

受け取った鍵を一度返そうとする


「いえ、最近一体だけですが調教済みがいますから『アイラの子』を向かわせましょう、もしあの子がいたらきっと面白いですよ?」


「あまり良い趣味とは言えませんがついでに回収出来れば悪くは無い、ですね」


「ふふふ、では彼の方は任せます撃ち方も分からないでしょうから、オーク達の存在については知らせても知らせなくてもどちらでも良いです」


「承知しました」


「さて、私はそろそろ賢者の石の準備をしないとですね、、『アイラの子』と獣を使う事はついでに伝えておきますので」

そう言い残すと天才軍師は部屋を出る


「、、本当に、恐ろしい人だ」


従者は翌日に備えながらも


鍵を強く握りしめる

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