179 説明
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/12 13:30
一行は本日の出発に備えて仮眠を取る、所だったのだが
「も~! だからさ~ね~え~!」
本日もツインテール、、いや、解いた髪を揺らし、枕を抱えた少女が座敷で駄々をこねている
「またかよ、うぜぇ」
銀髪の少女?は面倒そうに目を瞑り、逆を向く
「だって~」
「うるせぇ、寝ろ」
「また除者じゃんか~」
「適材適所だろうが」
「む~、そう言ってさ~、この前だって結局あたし何にもしてないもん」
再び目の前に回り込み閉じた瞳を見つめる
「しらね~よ、そもそもあちらさんの動きが知れてたら苦労しね~だろが」
「でも~でも~」
「、、はぁ」
観念したのか、一度上体を起こし語り始める
「あのなぁ、この前の件だってお前がその騎士に会って話して来た事を聞いてでの策でもあるんだ、考えてもみろ」
「ん、んと」
返答は求めていないらしくそのまま続ける
「あの国の内部者は以前王子が何者かに攫(さら)われた事を知っている、そして「エルフは少し前からずっと戦を起こしているから今は近づいてはいけないよ?」と言っていたんだろ?そんなやつらがだ、王子がひょっこり出て来てエルフと共に絶賛活躍中なんだぞ?普通どうする」
「え?えっと~、手伝い?確認に来る?」
「じゃあなんで来ない、昨日だって王子はどうしてますかの一言くらいするだろう」
・・・
「なんで?」
今度は少し待ってくれたのだが答えは出なかった
「いやぁまだいくつかあると思うがのぉ」
隣で飲んでた赤鬼が候補を出す
「本来ならば城に帰るじゃろうし様子を見ているってのも考えられなくはない、あとはあえて知らんぷりしている、こっちの場合だともう元も子もないがのぉ」
「え~なんでなんで?」
(出たな?妖怪なんでなんで)
「前者ならまだしも、後者だと偽物ってバレとるじゃろ」
(ん~、ぜんっぜん分からん)
寝たフリをしながらジンも聞き耳を立てている
「、、暗殺する気も無い存在って事?」
(あれ?分かっちゃった、アル分かっちゃったの?)
「まぁまだ確実じゃないから行くんだがな、殺しに来るなら恐らく今回のタイミングだ」
シエルは言い終えると横になる
「そうじゃの~、それ次第で本当のバルの敵が分かるってもんじゃろ」
・・・・・・
「いやいやいやいや、待って?余計モヤモヤするから、何寝ようとしてるの?違うじゃんあたしが行けない理由ではないじゃん」
(動悸は何にせよそうだ! もっと聞いてくれ、じゃなきゃ俺も寝れん)
「まぁ、まぁ寝かせてあげて下さい、自分が説明しますから」
(せんせ~キター アザース)
こうしてアルでも分かるシフ先生の講座が始まった、、尚、ジンにも分かるとは言っていない
1 まずは敵がディーン王国内なのかキドナなのか、はたまた別なのか
これが分からない事にはバルの無念が晴れないし巫女も狙われっぱなしでいる事になる
2 その為、炙り出す手法として偽バル王子を名乗り出した
信憑性を高める為に巫女との同盟をリッツに噂させたが本来これは挑発の様な物
これでディーン国内の者がどう動くのかを見て狙いを絞っていきます
3 怪しい吸血鬼退治の依頼が王国から来ました
シエル様(王国怪しさ満々じゃね~かクソが)
カセンさん(まだ決めつけられんぞぃ)
「と言った所です」
内心の声を真似した所で従者の頭にはスリッパが飛んで来た
「でもさ?それってもしその騎士の人達が敵だったらもう最初からバレてる訳じゃん? ダメなんじゃないの?」
「いえいえ、だって民間人は知らない訳ですから?」
「民間人?」
「えぇ、鼻から偽物だと踏んでても存在が大きくなればなるほど邪魔になります」
「う? あぁ~う~ん、うん」
まぁ、分かると言った返事だ
「それなら暗殺に来るでしょう?」
「こわ!」
「だからもしかしたらですが、昨日の騎士さんは依頼だけでは無く」
「暗殺しに来た筈だったのかもしれませんy、あたっ」
怖がらせようとした従者の横腹に蹴りが入る
「もう良いから寝ろ、死ね」
「カカカ、まぁあの男、こんな所でおっぱじめる様なアホでは無さそうじゃったがの」
「あはは、すいませんおふざけが過ぎましたね 分かりました?」
「んんんん~大体は、けどさ?」
(あれ?俺は半分しか分からなかったよ?)
「ソレ、あたしが行けない理由じゃないじゃん」
スヤースヤー、スヤー
気持ち良さそうに眠るエルフを余所に
結局
何時何時(いつなんどき)、「変なのが攻め込んで来てもその足なら逃げれる」と言う理由でアルとエバがお留守番となった
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