152 転生
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
12/14 13:30
バチン ブン ドン!
バチン ブン ドカン!
バチン ブン ドゴシャ!
ぎゃあぎゃあと言う鳴き声?が鳴りやまない中、ドールは前へ後ろへと大忙しである
異形の頭部辺りに平手打ちを行うと同時に腕や足を掴み次々と放り投げる
片方の入口の前に積まれていくソレの意識は無く、最初のビンタ一撃で気絶している様だ
無論、鎌が刺さっていたり頭部や腹部が無くなっている、、共食いされている者は一切動かないのだが
エバは小走りに表情は無表情に淡々と作業を行う
「よ、良かったぁ」
ため息交じりに気の抜けた声が出る
「良かった? まだ排除 え~っと、、やっつけ終わっていないのだけれど?」
ドールの手が止まる
「あ~、あぁ!ごめん!続けて続けて」
エバは一度ゆっくり小首を傾げ、作業へと戻る
(でも、、この後どうしたら良いんだろうか)
ジンは小窓に目をやりながら思考する
この数、何百いるんだよ渋谷のスクランブル交差点かよ!?
と言うか急にどっから沸いた?それと、、積んだやつもいずれは目を覚ますよな?
全部焼いちゃうか? いや、それだったら『やっつけて』もらった意味が無いダメだ、なんとか『救う方法』を考えろ
だって、、こいつ等
多分
俺と同じ
日本人、、転生者 なんじゃねーの!!?
思考を廻らせ夢から覚めた様に我に返った
と同時に怒りと悲しみが一気にこみ上げ奥歯が割れそうになるほど歯を食いしばる
「っく、、ぐ ぞぉ」
エバの手が止まらない様に、ずっと左手で握りしめていた台拭きを口の中へと詰め噛み締める
一番最初に換気庫で出会ってしまった、、別の異形に頭部を齧られ、すぐそこ 足元で動かなくなった異形
しっかりと覚えているその顔
『こっち』に来る前に見たその顔
前田
2つ後輩の前田
出っ歯の特徴的な
通称マエバだ
異形の髪は全て黒い
何故こんな姿になったのか等見当もつかない
だが、間違いない
「う˝っ ふぅ、ふぅ ぐぅう」
嗚咽
だがそんな時間さえも
この世界は与えてくれない
ゴガアァアアン!
轟音! 近くに爆弾でも落ちたかの様な音だ
地が揺れ、食器類が何枚か落ちる
「ぶぅえ、うあっ え?! なっ!? え、エバ? 」
台拭きをぺっと吐き出しよろよろと机を頼りに周囲を見渡す
「何かしら? あら?マスタージン、泣いているのかしら?」
平然とした様子で担いでいた異形を一度降ろす
動じていない
「ブレないな!?」
明らかに温度差を感じるのだがドールの無事に一度胸を撫で下ろす
「私にはそれを流す機能はないのだけれど、知っているわ? 涙、 成分は98.0%が水、ナトリウムやカリウム、アルブミンにグロブ、、」
「いい いい いい!いい~良いから、そっ! 泣いてたの~」
「どこか痛むのかしら?」
「ありがと~、う˝ん後で説明するから エバ? 今の音何か分かる?」
エバが二度程瞬きをすると小さくカシャカシャ音が鳴った
そして、またも瞳の色が変わる
「強い熱反応、この建物から表に出て北へ向かっt」
「距離は!?」
「、、まだ話の途中なのだけれど」
「ごめんって! すっげぇ急ぎだしさ」
「そう、急ぎ、緊急なのね 距離は、そうね 2 いえ100メートルと言った所かしら?」
「100メートルか、そっかどうするかな ってすぐそこじゃねえか!」
ジンは慌てて再び窓の方へと駆け寄る
(こっからだとちょっと見えにくいか? けどまだ異形いっぱいいるだろう、、し?)
パチパチと音を立て燃えている
一体一体の異形が次々と
いや、燃えているのでは無い
パチパチと音がしたと思った後、瞬きも追いつかない程瞬時に全身が黒くなり焦げている
そして次の瞬間には
灰となって行く
ふと振り返った
元友人の姿までも
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