140 構想
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
12/13 23:30
「ジン! あたしらにも飲む物頂戴」
「あっしは巫女と一緒で良いぞ~」
「で、なんの話してたの? ねぇ~、ねぇ~え~」
何故か楽しそうにアルがぐいぐいと巫女に近づく
なんだかんだ夜な夜なまで飲みの場にいる事が少ない為かいつもよりテンションが高い気がする
「あ~、クソガキが寝ろ!うっとうしい」
当人のシエルは迷惑そうな顔をしているがいつもの様に手で除(の)ける事はせず、自分のウイスキーを持ち直している
(あれ?なんか最近女性陣に甘くなってね?)
とか思ってたら早々に
「シエル様、最近丸くなられましたよね?」
従者がニコニコと言わなくても良い事を口に出し、巫女の動きがピタリと止まった
(え~、もう絶対わざとだよね?)
本当は見たくも無いのだが、とりあえずナッツを置きながらチラ見で様子を伺う
いつもの照れ?八つ当たりでもするかと思いきや
「刺すぞ?」
無表情に無機質に
しっかりと聞き取れるくらいの声で呟く
それはそれは凍った様に冷めきった
侮蔑(ぶべつ)した目で
(あ~うん、口の悪さは変わっていないみたいだ、と言うかいつもよりも怖いわ! この世界にメデューサがいるのなら多分この子だよ)
と言うか、もしかしたら男性陣に対する態度は変わってないのかもしれない
ここは空気を変えようと思いささっとドリンクを用意していく
「ほれ、はいよアルは豆乳をロックで御座います、カセンはシエルと同じのね~ってかお前瓶のままで良くね?」
「ばかたれ、雰囲気が大事なんじゃよ」
「いやマジでペース的にこっちしんどくなっちゃうから、氷だけ置いておくから次から自分で注いでよ?」
一応一杯目だけは軽くステアリングし、赤鬼の前に置く
「ねぇ~なんで豆乳なの?あたし牛乳が良いんだけど」
「え、あ、そぉ?良いの?豆乳飲まなくて?」
少し意地悪そうな顔でグラスを下げ自分で飲み干すジン
不思議そうに小首を傾げるアル
くふふと笑い、にんまりしながら赤鬼が乾杯の音頭をとる
「ほんじゃあ、乾杯!」
・・・・・・
豆乳、貧乳をほのめかす話で軽く談笑をしてやると巫女からも鋭い目線が飛んできた
二人の仕返しとばかりに赤鬼が先に寝たエルフの太もも、、膝枕の話を始めた
そんな話をされてしまうと恥ずかしさと言うよりは気まずさが勝り、本日は女性陣の目をもう見れる気がしない
逃げる様にシフへと再度、ドリンクを準備していると巫女も赤鬼におかわりをよこせと無言で空のグラスを傾ける
雑談も早々に
「少し、答え合わせしてやんよ」
ぶっきらぼうだがどこか穏やかそうに
「始めて森に向かうアイツ、バルに渡した私の手紙なんだが、、」
巫女がゆっくりと語り始める
シエルの書いた手紙の内容は究めて短い内容の物だ
私は王都大聖堂の巫女シエル
単刀直入に、同盟を結び情報の共有及び協力態勢を求めたいと考えている
使者を通してやりとりする時間も惜しいと思っているので次の内容を見てどう動くか決めて欲しい
森にも人型の異形が沸く頻度が増しているのではないか
ディーン大国との間、もしくはその地域で何か揉め事があったりしてないか
それと、、バルと言う者が関与していないか
森の南にある喫茶店を拠点に動いている
機密事項である為それ相応の者に渡り、同調してくれるであろう事を願っている
ちなみにだが
この文書を持って来た男が怪しい動きをする様であれば煮るなり焼くなり好きにしてもらって構わない
最後の文は恐らく、バルが中身を見た場合の動きを想定して?とかなのだろう
いや
いやいやいやいや
ロリ巫女が言うには
「全て計算して書いた」らしいのだが
シフ曰く
「これは素晴らしいですけど、捉え方次第でどうとでぁぁぁあああ痛い痛い!」
ケチを付けさせる気はない様だ
巫女様の希望的観測
「怖ぇわ!」
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