83 心理

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい




はぁ はぁ はぁ



はぁ はぁ はぁ


「嫌」




【エバ化計画を開始する】




はぁ はぁ


「ヤメテ」




【失敗は恐れるな】



「ヤメテ」



【素材はまだいる】



「嫌だ!」



【動くな! 死にたいのか!!】



「ひっ  うう ううぅ~   ぃ ぃゃ」

動くなと言われても固定されている為、、動かしているのは皮膚だけに過ぎないのだが

大きな声、強い言葉に少女の身体は固まる



少女の下半身にライトが照らされる



【始め!】



音は無く、、赤い色の線が少女の足の付け根を綺麗になぞる


「ふぅ   ふううう」


なぞった赤い線が消えると同時に




















両足が離れる


「あ ぁぁああ」


共に少女を激痛が襲う





8/22 5:20


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」



「はぁ、、はぁ はぁ   う、ん はぁはぁ」

息を整えながら自らの足を撫で、確認する


自分の叫び声で起きるなんて、、、最悪の寝起きだ


涙目で辺りを見渡すと向かいの寝床で上体を起こしている巫女と目が合う


「ぁ、、ぁ ご、、めん」

巫女まで聞こえるか分からないくらいに震えた声しか出てこない



ズルズルズル



目を凝らしながら巫女が歩き出す


「ひっ! ご、ごめん なさぃ」

アルは目を瞑り避ける様に両手を前に出す



パサッ



もそもそもそ




・・・




(え?)




シエルは無言でタオルケットを引きずりアルにかけるとそのまま中に入って来たのである


「まだ早い、寝ろ」


「ぁ ぁあ    うん」

アルはそのまま仰向けに倒れる


!?


倒れたアルに小さな体が優しく抱き付く





「アル! 何かあったか!?」

「敵襲か!」

カセンとラフィが大急ぎで部屋へ入って来る、、がピタリと足を止める



「ふ、ふおお か!可愛むぐ!むぐぐ~」

エルフが叫ぶ口を赤鬼が塞ぎそのまま抱えると厨房へと足を向ける













8/22 11:50


「あ~いたたた すいません、本当にお世話になりました~」

茶髪の青年がカウンターで頭を下げている


「全然良いって! 良くあるよあんなん、むしろカセン相手に良く飲んでたよ あははは」

麦茶をリッツの前に置き首を擦っているのは亭主のジンだ


「しっかし、ジンさんってもっとヤバイ人だと思ってましたけど凄い良いマスターなんですね?」


「は? ヤバイ人なんて思われた事無いけど!?  あ~いてて」


「あれジンさんは寝違えたとかですか? あぁ、いえ一週間ほど前 14日の日に一度お礼に伺ったじゃないですか」


「ん?あははちょっとね~ うんうん、あいつ等が助けたってやつだっけ? マジで食料系は助かるよ!」


「その時に思ったんですよ  カセンさん達みたいなあれだけの強者(つわもの)をまとめ上げてるマスターヤベーって」

二日酔いの割に舌が回るのはやはり商人の性(さが)なのだろう

「あの時は本当に怖かったな~ 目は真っ赤だし人相悪いし、声もガラガラだし! 殺されるのかと思いましたよ~」


「あ、、あははそうだったっけ?」


(あぁ   アルの写真始めて見た時だっけ)



(見たらアイリの死様(しにざま)思い出しちゃって、、トイレに駆け込んだ後だったっけか)




「まぁ、リッツ君!今後も契約商人と別にうちに出入りしない? 色々得だと思うけど?  どうよ!?」


「願っても無いですよ~ 私で良ければ是非是非~」







「ちっ、うるせ~な~」


「ま、まぁ 我々にとってもあの二人の結託はプラスですから」

巫女と従者が亭主らを横目に話を進める



「、、で? あん時の話のやつだろ?」


「えぇ、どうもこれ以上兵を割けないんだとか」


「ジジィが離れる訳にも行かないだろうしな」

「あ、あのの!」


二人の会話する席にタイミングを考えずに声をかけて来る


「あ、あた、しと  ちょっとつ! つつう  つき、付き合ってもらえにゃいかしら?」





巫女はめんどくさそうな目付きで赤面のツインテールを見上げる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る