72 主君

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/21 2:20


ギルドのマスターが耐えきれず寝落ちし



直ぐに何人かが顔を上げた


「くあああ!」


「ジンさん凄いな~」


「ですね~、大分まともに話せる様になりましたね」


赤鬼は首を鳴らし、男性陣二人は立ち上がり身体を伸ばす



「あら、狸寝入りだったのね、やっぱり失礼な人達だわ」


「アナタもかなり失礼な方ですけどね」


「もうさっさと帰って飲みたいんじゃが、ちと気になる事があったのでの」


「そう、私もアナタには聞きたい事があったのだけれど? そうね、対話 対話をしましょう? オーケー?」



(それ、、気に入ったのかな)



「まず、アナタ カセンと言うのよね 何者なのかしら?とても興味深いのだけれど、どうしてソレを持ち上げられるのかしら?それとマスタージンにも触れてもらわないといけなかったんだわ、彼も何者なのかしら?凄く気になるわ? そちらのエルフの武器もだけれど、、、」

「だあああ、対話になっとらんじゃないか~」


「これは、中々」


「日を改めたいレベルですね」





三人は四苦八苦しながらも必要最低限の聞き込みをした





まずはシフが質問をする

「先程ジンさんと話していた『グリーン化』とはもしかして死者の国の事ですか?」


「ソレに関しては頼まれているだけだから場所は分からないのだけれど?」


「誰に?」


「バミー伯爵と言ったかしら?」


!?


「バミー伯爵って実在するんですか?」

バルが横から口をはさむ


「、、そう名乗ってるだけ、と言う事もあるでしょう、分かりました 自分からは以上で大丈夫です」

シフは難しい顔をして考え始める





バミー伯爵

何百年も前から伝記等では伝説の吸血鬼フェレス侯かバミー伯爵がベースで描かれている事が多い

むしろ吸血鬼と言えばこの二人の名前しか上がらないので空想上の人物として扱われている





次に話題にあがったのはカセンが振り回していた砲台の様な物、エバが言うには試作品

超重量の為、常人には持ち上げる事が出来ずエバはそこに興味が沸いたらしい


「何故と言われてものぉ、持てる物は持てる」


「たくましい足腰なのね」


少しバカみたいな問答でその話は終わった


そして


「テストさせて欲しいのだけれど?」

と寝落ちしたジンの手を砲台の一部へと乗せる

すると何やら計測されている様な数字の様な文字の様な何かが浮かび上がる


「やっと見つけたわ、、、」

一言吐き出した後は長かった

小一時間程度自問自答を繰り返すエバは手が付けられず三人はしばらく黙っている他無かった






バルからは

「この筒状の武器はなんなの?」

と先程回収した何本かの筒が机に並べられた


人形達が持っていた物だ


「これはコイルガンね」


「コイルガン?」


「えぇ、コイルガンと言うのは電磁石の力で投射物を撃ち出すための装置で、そもそも電磁気力に基づく投射様式全般の呼称として、電磁投射砲 ENL 電磁加速砲等もあるのだけれど、、、」

またもエバ先生の講義が始まってしまう


(あ、やってしまった)

カセンとシフは早々に席を立ち一度部屋を出ようとする

「待って待って、一人は辛い」




「、、、でコレは旧型なのだけれど今はアナタ達を招く為に止めているわ? 」

ここまでで十数分時が流れている



「あ、え?止め? でもさっき一回使えたんだけど」


「さっき?」


少しだけエバの動きが止まる


「あぁ、あの変異体にその子が殺されてしまうのが、、、面白くなかったの 何か嫌だったわ、だから一度電気を戻したのだけれど? ダメだったかしら?」



これには三人も驚いた



「はは、そっか そうか、君のおかげだったのか」


「なんじゃ、ただの人形じゃなかった訳じゃな」


「少し要領は良くないですけどね」


「そうかしら? 私はアナタ達と比べてもかなり優秀な方だと思うのだけれど? 腕力や脚力に対しても、、、」

「だああああ! わああかったわい、しっかしつっかれたのぉ~  いい加減帰らんか?」


「そうですね、お腹も空きましたし皆を起こして帰りましょうか」


「あ、じゃあ最後に エバがずっと言ってるマスターって人は何者なの?」


「何者? 何者と言うのにも種類があると思うのだけれど、今アナタが聞きたい何者と言うのは、、」

「あ~あ~あ~えっと~ いいや、なんって名前の人なの?」



「マスター」

























「マスター キドナ」




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