47 習慣

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/16 6:00


「だいひょうぶ! う、う˝ん、だいじょうぶだから!!」

場所はエルフの森 奥地


エルフの集落


「本っ当に! すまなかった!!」


モーズがラフィの強烈な右ストレートから目を覚ました所だ


「いや、うん もういいから! 頭上げて、周りの目が怖過ぎる」


我らが族長が土下座をしている所である



「本当に あ、あののっ私の癖で! 申し訳ない!!」


「姫様! 酒癖の悪い貴女には良い機会ですが立場も考えて下さい」

年配のエルフが二人係でラフィを起こす



・・・



完全についこの間見た風景と被っている気がする


「はははは、モーズおはよう  あーすまん、忘れていたよ  ふふふ、みんなもおはよう」

バル王子がくすくすと笑いながら爽やかに挨拶をして周っている


「王子は知ってたんですか~? いたたた」

モーズはエルフから湿布の様な物をもらい頬を冷やしている


「王子さん、うちの姫様と飲んでたんならちゃんと運んであげないと~ 人が悪いよ~?」

エルフもケラケラと笑う




エルフの姫 ラフィ・スヴァルト

酒は好きなのだがめっぽう弱く

酔うとすぐに眠ってしまうので一人で飲む事と専用の小さなグラス以外で飲む事を禁じられている


ちょこちょこ眠ってしまう彼女だが最後にはしっかりと寝床で眠る習性までは付いた


だがその姿は







全裸である








今回の場合はモーズが眠っているのを忘れ


勝手に脱いで寝床に入り就寝


先に目を覚まし叫んでからの右ストレートである


、、いい迷惑以外の何物でも無い




飲んだら寝る、寝る前には脱ぐ そういう癖がある為

ある者は茶化しに ある者は拝みに

若いエルフ達は毎回返り討ちと言う名のご褒美を頂きに行くのが行事の様になっている




「はは、まぁ姫様も連日魔剣振り回して魔法ぶっぱなしてんだ疲れも出たんだろうよ」

ベテランの様なエルフの戦士は言う


「む、むぅ 確かにそうかもしれんな  2杯も飲めたか、、記憶に無い」


「あのおちょこで!?」

周りのエルフ達がドッと笑い出す


「ほ!ほら! 魔剣ぶっぱなすのは大変なんだ! しょうがないんだ!」


「魔剣ぶっぱなしちゃダメでしょ!」

すかさずツッコミが入りまたも騒がしくなる




「は~、朝から腹いて~ 流石姫様だわ   あ!そうそうあの山賊連中どうします? 一応何人か風邪引いたやつらと動けないのばっかりなんですが?」


「えぇ!?」


「いや! えぇ!?じゃないでしょう、そうなるでしょう」

ラフィが喋る度にところかしこからツッコミが入る


「そ、そうか  あうぅ申し訳ない事をしてしまったな、私も様子を見に行くよ」

からかわれ過ぎてラフィの頬は真っ赤である




その時


「戦姫様!」

大柄の男が駆け寄って来る


夜盗のボスと呼ばれていた男だ


「む?」

周りのエルフとモーズはすぐに姫を囲い身構える


「皆 大丈夫だ  どうした?」



「は、話があるんだ」


「あぁ、そうか  私達も丁度そう思っていた所だよ 朝食を食べながら少し話そうか  他の連中にも滋養の付く物や食べやすい物を準備してあげてくれ!  バァ様には私から話をする、倉庫の解熱薬も渋らず与えてくれ!   モーズ、バル 共に来てくれるか?」

急にいつものキリリとした顔付に戻り力強く声を張る


振り向いた彼女の長い金髪に朝日が反射する


その光はオーラの様にも見える気がした







「姫様!」







「まだ朝食の準備は出来ていません」








オーラの様に見える    気がした



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