46 繋絆
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/15 14:30
夜盗連中はエルフ達から水分や糖分をもらうと寝床へ通され泥の様に、、気絶した
モーズも満身創痍だったが
疲労など一瞬で消し飛んだ
「 お、王子!?」
「本当に! モーズ? モーズなのか?」
モーズより若干背が高く
顔付きも多少似てはいるが少し歳上に見える
目の色も異なり眼帯をしているが片目は青眼で威厳のある目付きをした青年
ディーン国の王子 バル本人である
「よく ご無事 で」
モーズは足元に駆け寄り声にならない声で膝を折る
「やめてくれ! モーズ 私は変わらず、、10年前と変わらずお前を兄弟の様に思っている そんな騎士の様な、他人の様な振る舞いはよしてくれ」
王子自ら膝頭を地につけるとモーズの肩を抱く
(うむ、友情だな!)
ラフィが数メートルも離れていない位置で腕を組み、うんうんと頷きながら二人を見守る
「何してんすか姫」
「ちょ、こっち 来なさい」
二人の若いエルフが小さく呟きながら姫を担ぐとコソコソ別の場所へと運ぶ
「な! なんでだ? 私は二人を合わせたかっただけだぞ!!? 今良い所じゃないか!はなせ! おろせ~」
ラフィの声が大分遠くまで離れて行く
「ぷ、、ふふふ ははは! どこまでも空気の読めない姫様だ、、はは ははははは」
高貴に見える二人の男はしばらくの間
10年の時を埋める様に
笑いながら 泣いていた
8/15 19:30
モーズが流石に意識を落としたので特別にラフィの少し豪華な寝室に寝かしつけられた
「ラフィ、本当に君には感謝しきれないよ」
その隣で王子とラフィが酒を交わしている
「いや、今回私が特別何かをした訳では無い、道案内しただけだ モーズが頑張ったんだろう? 10年間 か?」
ラフィのグラスだけがやたらと小さい
「あぁ、本当に 先に帰った者に聞いた時は夢を見ているかの様だったよ ありえないと何度も思った、本当に、本当にありがたい」
「この男はそれ程お前を大事に思っていたのだろう、普通の人間のはずだが 凄かったぞ?」
小さなグラスの中身を飲み干すと手酌で濁った酒を注ぐ
「魔剣なんかに頼らなくとも夜盗なんて目じゃなかった 少しの間だが彼を見ていて思ったよ、きっとあの件だって 力を合わせれば何とか出来る、そんな気分になったよ」
「『破滅』の事かい? そうだね、この手紙を書いたと言う巫女様には是非協力して頂きたいものだ それに君がそこまで言うのなら力強いよ!」
王子はシエルの書いた手紙を見ながら自分のグラスに手酌で注ぐ
(巫女シエル、、幼い頃に一度だけ会った様な?)
「うむ、まぁ焦りはあるがにゃ 頑張ってみるとしゅるよ」
「毎回思うのだが」
「ぬ~ん?」
「そんなに弱いのに何で飲むんだ?」
「だいじょぶ、だいじょおぶ まだのめms」
焦った時だろうと困った時だろうと声を裏返そうとも、いつもキリっとしているラフィの目付きはだらしない程に垂れ、口は「えへへ」と言わんばかりに口角が上がっている
「ふふふ、君は本当に面白い姫様だよ 本当に大陸を、、いや世界を守ってくれる様な気がしてくる」
床に頬を付けて眠るエルフの姫をよそに、バル王子は自分の寝室へと戻る事にする
8/16 5:00
「ty☆〇××☆××mbぴゃああ」
エルフの族長、その大きな声で辺りは目を覚ます
(え、何 ここどこ だっけ?)
ドゴン!!
目を擦りゆっくりと凝らすモーズは身体を起こした直後に強烈な右ストレートを食らい気絶する
「姫様!」
「どうかされましたか?」
「姫!」
「姫様!?」
何人かの若いエルフ達がラフィの寝室 (小屋)へ流れる様に入って来る
と同時に入り口から凄い勢いで吹き飛ばされていく
(あ~ま~たやってんな)
(懲りないな~)
派手に飛ぶ者達はご褒美を貰ったかの様な笑顔で地面へと埋まって行く
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