45 罪人

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/15 1:20


時は ラフィが「動くな! そこまでだ!!」と格好良く決めた

10分程後である



「たすけてくれ~」


「死にたくな~い」


夜盗全員がエルフのやり過ぎた水の魔法で溺れかけている



「ボコ  ブクブク  で? 俺らを  ブク  どうするんだよ」

大柄の男は目線を殺さずに反論する


「むしろこっちが聞きたいよ?」

モーズが少し高い位置から夜盗達を見下ろしている


「あ、、アァ! その  ソウダゾー? ナゼ  私達を狙う?」

声を裏返しながら戦姫も喋りだす








ラフィの寝ていた約3時間、モーズは下って来れるであろうしっかりとしている足場周辺にトラップを仕掛けた


脆そうな枝、根には傷を付けて廻り

落差の無い平坦な道には木を倒した


滑り落ちた夜盗達は少しの間身動きが取れずその隙に少し上へと登ると

「全員固まれ!」と声を上げた


その後はラフィが「任せろ」と言うので任せたのだが、、


強力過ぎる水攻めで辺りは混乱している所である



モーズは思う

(えー 作戦があるとは言ったよ?提案はしたよ? けどこの姫さんやり過ぎじゃない?)



夜盗は思う

(こんな強力魔法化け物じゃねえか!  ころ 殺される)



夜盗のボスは思う

(相手は二人だ  まだ 立て直せる)



ラフィは思う

(あのあのあの えっとえっとえっと そのそのその)

やり過ぎた事自体に気付いてはいるのだが水を引っ込めると言う魔法などは無い訳だ



「すまなかったよ! 引き上げてくれね~か! 死んじまうよ!!」

夜盗のボスは言う


彼らの武器なども勿論綺麗さっぱり流されている為一人一人の脅威は低いだろう


「う~ん、確かにそろそろヤバそうなのもいるね、、どうするラフィ?」


「ん!? あ、あぁそうだな、殺してしまうのは良くないすぐに引き上げよう」

近場の質の良さそうな蔦(つた)を見つけるとささっと編み込み、頑丈そうな大木へと結ぶ


(まぁ流石と言うか、、手際も良いんだけど なんか心配だな~)

「よし、では一人ずつだ 上がったら拘束させてもらう   それと大柄の男、あんたがボスだろう?あんたは最後だ」

モーズは携帯していたロープを幾つかに切り分ける


(ちっ、しっかり道具持ってやがるか  しかたねぇ)

「あぁ、分かった 早くしてくれ!!」




「もう大丈夫だ  すまなかったな」

蔦を頼りに上がって来る連中にラフィは一人一人の手を取り声をかけて行く


反抗する様子はとくに見えない

念の為モーズは夜盗達の手首を後ろに捻り拘束する


「さぁ! 残りは一人だ!  大丈夫か?」

ラフィが大柄の男に手を伸ばす


「あぁ、すまねえ     な!!!」

男は全体重を乗せ細いラフィの腕を力強く引く!















(な?  んだと)

このまま二人を落とし逃げようと思っていた


そんな思惑はすぐに無くなった




「うむ、すまなかった   私もやり過ぎたな!」

ラフィの細腕はびくともせず、大男の目をしっかりと見つめそのままゆっくりと持ち上げる







こうしてラフィとモーズは夜盗達を拘束し連行


夜盗達は自分達がした罪の重さを身をもって思い知る事になる



先程3時間以上下山した道を再び両手を使わずに同じペースで登らされ

地獄の様な山登りをした後には気の遠くなる程の時間樹海巡りをする事になった



ラフィは言う

「いや、迷ってないぞ?」

「大丈夫  もうすぐだ  頑張れ!」



これにはろくに休んでいないモーズも眩暈を覚えた


反抗するどころかエルフ無しでは帰れないであろうと思い夜盗達の拘束はすぐに解いてやった





そして







8/15 14:00


約13時間が経った

もちろん休憩は随時決まったペースで取った

食料もラフィが何処かから持って来ると皆に配布した



到着してから他のエルフにも聞いたがどうやらこのくらいの時間なら迷子では無いらしい


「ははは! すげえな」


「よく頑張ったな~人間」


「すまね~な~うちの姫様が、、、」



モーズを含めて夜盗ら一同は思った






この姫















アタマオカシイ

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