27 戦姫

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/13 21:00


姫と呼ばれるエルフの娘


名はラフィ・スヴァルト 背丈の程 171cm

容姿端麗

腰まで伸びた金髪 それと、エメラルド色の瞳  まさに絵に書いた様な


ザ・エルフ


エルフの中でも弓の名手として知られ、見た目とは似合わぬ黒鉄の様な色の大剣を携えている


戦闘中の彼女を見た人間達からは


「戦姫」 と呼ばれている





ペタペタペタペタ



港町に到着するとすぐに門の外壁を擦りだす

(この壁の模様綺麗だな~ 材質はなんなのだ?スベスベだ)


「むむむ?」

何故か誰も居ない北門をくぐると周囲を見渡す



「お、おおお~」


(あっちの屋根の色も可愛い  なんだ?あの大きな建物!     ふむ?これが石畳と言うやつか?)

田舎者が都会に来た  そのままの行動である



「むむ?」

(これが『イソノカオリ』と言うやつだな じゃああっち側が『ウミ』か)

匂いをたどり港町の船場へと向かう





「これは     凄いな」

始めて見る海に目を輝かせしばらく我を忘れる






ザザーン




ザザザーン




(なんと落ち着く これが噂の?『サザナミ』か)



ザザーン




ザザザーン



「はっ」


(しまった こんなことしている場合では、、)

周りを見渡し一気に町を駆けまわる




(むぅ、異形は全て森に来たのか? 気配すらしないぞ?    ん?)




「うわ、すごいな」


「うええ」


「コレ どこから来たんだろうな?」


東門付近にかなりの人集りが出来ている


(異形か?)

「通してもらえるか? 魔物の類であれば私が成敗し・・・」

ラフィは急いで人を掻き分け剣を構える


目の前の情景に息をのむ




東門の外

近くの木々は倒れ 地には大きな穴が幾つも空き

大量の機器や鉄 油


それと


血の池や肉片が所かしこに散乱している



まるで地獄絵図である





「人間技じゃないよな」


「うっぷ」


「これ、魔物   なんだよな?」



「おぉ、エルフの騎士さんありがたいけど もうこの辺りにはいないみたいなんだよね」


「、、そ、そうか」

(これ程の破壊行為 大型の魔物か?こんな所に?  異形は魔物を追って来た  嫌、逆か?)



ゴオオ  ガシャア        ドゴオン!!



「今度はなんだ!?」


「火事だ!!  火事だ~」


「キャーーーー」

少し離れた建物に火の手がまわっているのが見える


「火が相手なら問題無い 待っていろ!」

エルフは再び人を掻き分け火の元へと向かう









(出火元はこの辺か?)





「あっしは遠めの所から火~消して行くから兄ちゃんは村人誘導してくれい」

衣類のボロボロな赤髪の女性がふらふらしている


「分かりました、感謝とお礼は後ほど必ずしますので」

茶髪の男性が指示を受け走り出そうとしている



「いや!待て!! 大丈夫だ火の手は私に任せてくれ!」

そう叫ぶとラフィは詠唱を始める


雨雲も無いのにどこからともなくサラサラとした雨が降る

ソレは急激に激しくなり火の周りだけが局地的に豪雨となった


ラフィの水魔法である



あっと言う間に炎は鎮火されブスブスと煙が上がっていく


(ふぅ 良かった間に合ったみたいだ)






「お~お~ 大したもんじゃ助かるぞ~  しかし姉ちゃんべっぴんじゃの!  何者じゃ?」

赤髪の女性がニコニコしながら近寄って来る











8/13 22:00


ラフィは火消しを終え挨拶を済ますと大急ぎで東へ向かっていた


(危ない危ない 町の者達と関りを持ってしまう所だった)




パカラパカラ!



(このまま少し走らせて様子を見てから北へ旋回し森へ帰るとするか)





パカラパカラ!



(ん?なんだ熱気?)

急な温度の違う風が頬を通る






「!? な?」





(やはり、何かがいる この巨大な焼け跡    ドラゴンでもいるのか?)


ギルド一行も帰宅途中に遭遇した焼跡である






「くっ」

ラフィは焼跡を一周し様子を見るとそのまま旋回し北の森へと向かう




(聞いていたよりもずっと早いな   早く、強くならなくては)





(もっと 使いこなせる様にならないと)





(急がないと)







(『破滅』が来てしまう)








エルフの乗る馬は森へと消えて行く



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