行間 ハイイロノセカイ
体中がズキズキと痛む。
何が起こったのか分からなかった。
ゆっくりと起き上がり、辺りを見回してみる。
右も、左も。
前も、後ろも。
灰色の瓦礫ばかりだった。
さっきまで綺麗な青色だった空も立ち上る煙のせいで灰色に濁っている。
一瞬、世界が全て灰色一色に塗り潰されたのではないかと錯覚してしまうほどだった。
頭の中が混乱する。
まるで掻き回されているかのように思考がまとまらない。
意味もなく立って歩こうとするが、痛みのせいで足から力が抜けてその場に倒れ込んでしまう。
自分でも何がしたいのか、何をしているのか分からず怖くなる。
自分ではどうしようもないのに、『なんとかしなくては』という不安と焦燥だけが増していく。
それらに押し潰されそうになったからなのか、
誰の物ともつかない悲鳴や泣き声が聞こえたからなのか、
自分を守るように耳を塞ぎ、固く目を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます