夏。
夏に殺されてしまう。
誰でもないぼくが僕に課した呪いを
何年もの間口にしてきただろうか。
虹膜を焼く日差しも、
焦燥を蒸せる熱気も、
誘う深く黒い影も。
どうしてか、ぼくの足場を崩していく。
日々早まる朝日の昇る刻を眺めて、
行き場のない溜め息を吐く。
夏が来てしまう。
ぼくの、大嫌いな季節。
夏に殺されてしまう。
そんな幼稚な呪いを、再び口にして。
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