行き場のない感情

長らく、苦手な人がいる。

きっと壊滅的な程に相性が悪いんだろうな、と私はずっと思っている。

それでも離れようとすれば傷つけてしまうほどに、近づいてしまっている。


なんと贅沢な、と思う。

他人に答えを求めては得られないことを嘆く。

受け止めすらしない言葉をただ求めてばかりで、何と傲慢な、と思う。


成せないことを嘆いては卑下して、自身を嘲笑しては免罪符を他人に求めるのだ。

不幸と不能を並べて、何を求めるというのかと、口に出せない問いを私は飲み込むことしかできなくて、


期待を恐れ、期待に押しつぶされそうと握りしめ、それでもあるべき私を見続ける僕の抱くこの行き場の無い感情はとうに薄くなりすぎたのかもしれない。

期待に応える必要なんてないと、暗に思っていることにはきっと自身であっても気づいていないのだろう。


ただただ積もる、不毛な理不尽が。

それでも飲み込むしかないのだ、私の嫌う羨望を。


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