第87話 眼球の見た目がヤバくなった件

「なんか目が赤いよ」と夫に言われて、別に痛くも痒くもなかったので「そお?」と気の抜けた返事をしました。


「いや、病院行ったほうがいいかも。なんか見た目がヤバイことになってる」と夫。非常に頑丈に生まれた夫は、病気知らずで、ケガも病気も「舐めときゃ治る」「寝てれば治る」ですますタイプ。そんな夫に「病院行ったほうがいいかも」なんて言われたのは、もしかしたら二十年の付き合いの中で初めてだったかもしれません。


 それだけ見た目がヤバいことになってるって、私の眼球に何があった?! とビビった私は、鏡を見に行きました。そしたら……


 なんということでしょう! 左の眼球に鮮やかな赤で、血しぶきみたいな模様ができているではないですか! コワ。


 やっベー、キタコレ、見た目がマジでやっべ〜。とびっくり仰天したものの、本当に痛くも痒くもないのですよ。


 そのとき、すでに夕方の7時で、普通の外来時間は過ぎています。だからと言って、痛くも痒くもないのに、救急外来に行くのもなぁ。今のご時世、タダでさえ医療現場はシャレにならないくらい逼迫してますしね。


 そんな時に意外と頼りになるのが、二十四時間空いている薬局。薬剤師さんも二十四時間駐在している薬局が、家から徒歩1分くらいのところにあるんですよ。一年くらい前、ちょっと目が痛くなったので薬剤師さんに相談したら、「目が疲れているみたいですね」と市販の点眼薬を勧めてくださって、おかげですぐに良くなったことがあったんです。


 で、今回もとりあえず薬剤師さんに相談してみようと行ってみたら、なんと、看護師さんが夜間駐在するようになったとか。しかも予約なしで無料で診てもらえるのです。


 基本、医療は無料のオーストラリア。薬局に夕方から看護師さんを駐在させるようになったのは、病院の負担を減らすためだそうです。ちょっと火傷したとか、子どもが熱出したとか、なんかお腹の調子が悪いとか、軽い症状の患者さんを、看護師さん+市販薬で対応できれば、病院の医師や看護師の仕事がずいぶん軽減されますもんね。


 で、薬局の看護師さんに見せてみたら、「眼精疲労ですね。パソコンやスマホを長時間使っていませんか?」と。「眼精疲労」ってカクヨム村で頻発する単語ですけど、ついに私も仲間入りです。パソコンやスマホ? ええ、長時間使っております。なんなら、起きてる時間はほぼ睨んでおります。って感じのライフスタイルですからねぇ。それにしても、眼精疲労で眼球に血しぶきができるなんて、知りませんでしたよ。ああ怖かった。


 看護師さんに市販の点眼薬を勧めてもらい、「なるべくスクリーンを見たり、本を読んだりしないように」とお達しを受けました。


 翌日は土曜日で、しかも3回目のコロナワクチンを打ったばかりで疲労感がすごく、夫に子守りを押し付けてベッドでゴロゴロしておりました。スマホも本もパソコンも見れないので、ポッドキャストを聞いて過ごしましたが、つ、辛い! 暇〜! せっかくのんびりできるのに、本や漫画も読めないし、カクヨムもできないし、自分の小説もパソコンで書けないなんて、なんのジレジレですか。


 視力を失うような病気になったら、暇を持て余してどうしていいかわからんだろうな、と思いました。失明したら、ポッドキャスト聞こうにも、私にはタッチパネルが使えないですからね。失明したら、ポッドキャスト聞くよりも、もっと真面目な問題があるのでしょうが。


 盲目の方は、どうやってパソコンやスマホを使っていらっしゃるんだろう、と思って、ちょっと調べてみましたら、こんな記事を見つけました。https://king.mineo.jp/staff_blogs/387


 すごいんですねぇ。視力がなくても、スマホをスイスイ使うことができるのですね。不謹慎にも、ものすごく安心した私です。失明しても、カクヨムできるってことですね。


 さて、ヤバい見た目の血しぶきさんですが、点眼薬の効果もあり、だいぶ小さくなりました。週明けには仕事に戻り、自宅勤務なので最低8時間はパソコンの前で、休憩時間にスマホでカクヨムを読み、寝る前はKindleを読むような生活に戻っております。習慣って恐ろしい……。私のライフスタイル、本当に目を酷使するんですよねぇ。なんとか改善しないと、いつか眼球がストライキを起こしそうです。

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