第81話 クリスマス・イヴ・イヴ
わたくし、今日からクリスマス休暇です〜。ぐふふ〜♪
今年は、パンデミックの野郎のせいで、たいそう疲れました。今日からやっと一息つけます。昨年の年末、コロナも2021年の間には収束しているだろう、と確信していたのですが、エラい1年になりましたねぇ。2022年こそ! なんて下手に願うのもはばかられます。
ロックダウンのおかげで、執筆の楽しさを知り、カクヨムのみなさまとも出会えたわけですから、そう思えば今年もいい年になりました。夫婦とも職を失わず、自分も家族も病気ひとつしなかったので、文句を言ってはバチが当たりますね。
明日はクリスマス・イヴなので、私のハートフルな失敗談をご紹介しようかと思います(またかよ)。
あれは3年前、娘の学校でイベントがあったときです。コロナ前、娘が通う学校には、エクササイズ・デーというのがありました。全校生徒が楽しく体を動かすことが趣旨のイベントで、日本の運動会に似ています。が、業者さんが準備やら司会をやってくれるし、学校が終わったあとの夕方からやるので、親が仕事帰りに参加できるという、ゆるい企画です。
同じグラウンドで、生徒全員が、グループ別にまったく違う種目を同時進行するので、応援側もバラバラで、会場の一体感などは皆無です。
夫は仕事の都合で来れなかったので、私だけ、当時はまだ保育園児だった息子を連れて参加しました。
わんぱく盛りの息子と遊びながら、娘のイベントにも参加するというのが、一人だと意外と難しく、息子が小学校の遊具に突進していく中、娘は正反対の場所で輪投げをやっている……みたいな状況です。
息子が遊具で遊んでいる間に、ちょっとだけ……と娘のところへ行き、娘に「がんばれ〜」とエールを送り、娘の姿をスマホのカメラにおさめた後、急いで息子が遊んでいた場所に引き返したら、息子が見当たりません。
どうせ、そのへんで遊んでるだろう、と最初は軽く考えて「お〜い、○○くん、どこ〜♪」なんて笑顔で探していたのですが、5分ほど探しても見つからず、だんだん不安になってきました。学校をグルグル回りながら息子を探していたら、大通りに出るゲートが開いていることに気づきました。時速60キロで車が走る大きな道の、すぐ側です。
うぎゃー! とにわかに不安になった私は、「○○! ○○!」と大きな声で名前を呼びながら必死に探し始めます。周りの大人が私に気づいて、次々に息子探しに加勢してくださいました。近くにいた親御さんや先生たちに、とあっという間に情報が行き渡り、気づけば「○○〜!」と息子の名前の大合唱に。
そのうち、騒ぎに気付いた高学年の子どもたちも一緒に探してくれることになりました。大人が校内を探している間、小学生グループが学校の外を見回ってくれることに。
あれよあれよという間に、親御さんと先生と小学生が入り混じった総勢30名以上のみなさんが、息子探しを手伝う形になりました。しかし、多くの方の協力にも関わらず、肝心の息子がなかなか見つかりません。
大通りで迷子になってたらどうしよう……と不安もマックスになってきたころ、先生のひとりから「息子さんらしき子どもを保護したので、来てください!」と呼ばれ、駆けつけてみると、涙と鼻水を垂らした息子が別の先生と一緒に座っていました。私を見るなり「うわぁぁぁぁん」と号泣。駆けよって息子を抱き上げる私の目からも涙が。
息子、なんと、娘が輪投げなどをやってたグラウンドのど真ん中で保護されてました。大勢の子どもの群れの中に紛れていたようです。灯台下暗しとはこのことです。
息子を保護してくださった先生が、スピーカーで、「○○くん、見つかりました〜!」とアナウンスをされ、息子探し隊員たちがぞろぞろ戻って来ます。「よかった、よかった」とその場のみなさんから拍手喝采され、私も息子も泣いてるし、親御さんと先生が何人かもらい泣きしてるし、ハートウォーミングな映画のクライマックスみたいになりました。
思えば、一番会場が一体となった瞬間だったかもしれません。小学生が主役のイベントで、一番スポットライトをを浴びたのは、私と息子だったという……。ちゃんちゃん♪
私は昨日で仕事納め、今日から休暇に入りますが、日本のお正月休みまでは、あと一息ですよね。師走の忙しい時期ですが、お体にお気をつけて元気にお過ごしください。
メリー・クリスマス☆
追記:「女による女のためのR-18文学賞」に過去作を応募していたのですが、今日、一次選考通過作品の発表がありました。自作は通過しておりませんでした。「くそ〜、今度こそ本気出す!」と思うまでがセット(こころさん談)なので、次回がんばります!
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