第8話 アインシュタインの最期の言葉

 ユダヤ系ドイツ人だったアルバート・アインシュタインは、ナチスから逃れるためにアメリカに移住し、祖国に帰ることなくアメリカで死去しました。最期の言葉をドイツ語で話し、看取った看護師が英語しか理解できなかったため、今でも彼の最期の言葉は謎のままです。


 もともと英語が堪能な上に、数十年もの間、アメリカで暮らしたアインシュタイン。なぜ最期の言葉がドイツ語だったのか。


 人間は老いると母国語に戻るという説があります。実際、何十年も英語圏に住み、流暢に英語を話していた移民が、年をとって急に母国語しか話せなくなることは、よくあることなのだそうです。


 私もそんな運命をたどるのかなぁと思うと、ちょっと切ない話しでもあります。


 そんな感傷を夫に理解してもらいたくて、アインシュタインの最期の言葉の話をしたのですが、センチメンタルな気持ちを話し始める前に、夫が言いました。


「オシッコしたい。」


「は?」


「アインシュタインの最期の言葉。案外、そういう間抜けなやつだったんじゃない?」


「ぶはっ!(←水吹いた)」


 天才科学者の最期の言葉です。たいそう深遠で重大なことを言い遺したのではないかと、様々な憶測が飛び交っておりますが、真実は意外とアホなのかもしれません。


私「『背中が痒いからかいて』とか?」


夫「そうそう。」


 しばらく笑いが止まりませんでした。こういうアホな夫と一緒になったから、今でも異国の地でたくましく生きてるのかもしれないなーって思いました。


追記:クリスマス・イヴですね。みなさま、良いクリスマスを♡

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