第7話 情熱と中毒の間

 カクヨムに投稿する前、処女作を書いたとき、仕事を3日休みました。書きたくて書きたくて、時間が足りなくて、コロナでどこにもいけなかったのを幸いに、有給を使って執筆に専念しました。至福のひとときでした。


 子どもがいて仕事もしていると、自分だけのために使う時間がとても限られます。自分のためだけに、有給を3日も取ったのは初めてのことでしたが、「これは、自分のために大切なことだ。」と思ってやりました。夫がサポートしてくれて、そういうことができる仕事・環境だったことに、とても感謝しています。


 三日坊主で飽きっぽい私が、半年近く執筆に夢中になれたのは、やっぱり今でも幸運だったと思っています。


 が、不健康な感じまでハマっていたので、いつか冷めるとも思っていました。で、冷めました。ちーん。今、ちょっとスランプ気味。まだまだ書きたい気持ちはあるので、失速はしても、執筆は続けていくと思います。でも「自分の中にある物語を出してしまいたい。出さないと他に何もできない。」みたいな激しい気持ちはどっか行きました。


 それから、ハートマーク一個もらうと、ドーパミンがドバーッとでる感じもなくなりました。もちろん、今でもすごくうれしいんですけど、脳内でひねり宙返りが成功しそうっ! てくらいの悦びは、ハートマーク一個ではもう得られなくなりました。


 他のことが手につかない状態が続いて、ちょっとヤバかったです。家事が手抜きになり、子どもの話を上の空で聞くようになり、夫と過ごす時間が減っても、「まあ、いっか」と思えたんですけど、仕事に集中できない状態が続いたのは、本当に社会人としてダメだったと思います。最近、やっと普通に戻りました。


 ハマったのは執筆だけじゃなくて、カクヨムのSNSな部分も多分にあったと思います。わかりやすく承認欲求ジャンキーでした。


 承認欲求自体は、誰もが自然に持っている欲求の一つ。やる気の源でもあり、ない人は特殊なんだと思います。ただ、中毒性が高い欲求でもあるらしいですね。


 どんなアーティストも、観客がいるから続けられるんだと思うんですけど、それはアマチュアも同じで、私も、こうやって投稿できる場所があって、読んで反応してくださる人がいるから、飽きずに続けられたんだと思います。


 恋をして、酔っ払ってたのが、今シラフに戻った気分です。ちょっと寂しいですが、今のほうが絶対に健康的。シラフでもずっと書き続けられるよう、承認欲求を上手に利用していきたいと思っています。(あー。なんだかすごくマジメなこと言ってる。)


 カクヨム廃人になるくらい、他の何もかも忘れて書いたり読んだりコメントしたりしたいなぁ……って思うんですけどねー。私の願望、めちゃくちゃ地味ですね。

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