第3話 忙しい大人
がんばってない人が好き。
ヒマだと言ってる人が好き。
友だちがいないと言う人が好き。
寂しいから遊んで〜と言う人が好き。
私の両親は、真面目な働き者です。おかげで、私を入れた姉弟5人(ええ、5人姉弟です!)、みんなまともな大人に育ちました。心から感謝しています。
姉が3人もいたので、お手伝いなどはことごとくサボり、こたつにゴロンと寝転がってマンガを読みながら、「大人は忙しいなー。大人になるのはめんどくさそうだなぁ。」と思うような子どもでした。
今、その忙しい大人に自分がなりました。時間ができると、隙間を埋めるように、たまってる家事をしたり、スマホ見たり、執筆したりしています。両親のような真面目な働き者というより、無駄に
ずっと長い間、「ダメ人間の生活が一週間くらいしてみたい」と願っています。一人きりで、夫や子どもたちとすら会わず、家事も仕事もせず、メールもニュースもチェックせず、カップラーメンとか食べて。大人気なく大人買いしたマンガ本を夜9時くらいに読み始めて、明け方5時くらいに寝落ちしたりする生活。
昼間から携帯をスクロールして、誰にも連絡できずに、「誰か遊んでくれないかなー。私、友だちいないなー。」と思いながら、寂しさを噛みしめたい!
一人の時間があまりないので、寂しさを噛みしめる時間がないのです。本当の孤独は死ぬほど辛いという認識と、今の状態は非常に恵まれている自覚はあるんですけど、寂しいなーって思いたいです。メランコリーに。センチメンタルに。哲学的なことを考えて時間を無駄にしたい。人恋しさに負けて、昔お世話になってた人にお礼の手紙とか書いてみたい。これ、どう考えても、先進国に住んでるヘタレ現代人の、ない物ねだりですね!
これねー。やろうと思えばできるんです。仕事を調整して、お金貯めて、夫に協力してもらえば。どうして、自分がずーっとしたいと思ってることを、できるのに、しないんだろうなぁ。したらしたで、「ものすごく時間もお金も無駄にしてしまった。」と後悔している自分が容易に想像できます。こういうのを、貧乏性というのでしょう。
大人なのに忙しくなくて、そのことに劣等感も罪悪感も抱かず、「ヒマで寂しいから遊んで〜。」とかヘラヘラ笑って言える人に、心から憧れます。私はきっと、そういう人に声かけてもらえないタイプです。声かけられても、「来週の木曜日なら」とか言いそう。忙しい大人だから。しょぼん。
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