第11話 メインディッシュへの復讐



 最後のターゲットは、生き残らせた主人公と攻略対象だ。


 メインディッシュと言っても良いだろう。


 下ごしらえは十分に行った。


 なら後は、しっかりと調理して味わうだけ。


 生き残った彼らは、ディアナを前にして怯えていた。


 どうしてこうなったのか分からない、という顔をしながら寄り添ってただ震えるのみ。


「ディアナさん、どうしてこんな事をするんですかっ。ひどいっ!」

「やはりお前の本性はこうだったのか」


 けれど、他の人間を差し出したり、命乞いをしたりする事はなかった。


 腐っても主人公と攻略対象、という事だろう。


 だから、ディアナはその強靭な精神を、まず崩す事にしたようだ。

 

「貴方達は特別に、じっくりいたぶって殺してあげるわ」


 これまでに殺してきた生徒達の亡骸を操って、追いかけっこを行った。


 校舎の中で、何百体もの亡者に追いかけられる二人。

 彼等はすぐに疲れてしまう。


 しかし、簡単に膝をつかせたりはしない。


 体力だけは回復させて、無限に続くようにしむけた。


 おなかが空いたら、食料を分け、怪我をしたらきちんと治す。


 たまに気まぐれをおこして、食料にしびれ薬や毒薬などをまぜたり、怪我した箇所を腐らせたりもした。


 亡者と同じような見た目にして、追いかけっこを続けさせる。


 続けていくうちに二人は、死者と同じような見た目にまでなった。


 そんな事を一週間と続けた。


 一週間目に彼らの心は折れたようだ。


 ディアナは、もう殺してくれと言う二人を、涙ながらに己の言動を後悔する二人の首を、時間をかけてゆっくり切り裂いた。


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