第11話 解き放たれた悪魔



 これで、すべての復讐を果たした。


 そのはずだった。

 

 しかし、私は満足できなかった。


 心残りを消化した私の元に、私と契約した悪魔がやってきた。


 だが、物足りなさを感じていた私は逆に、その悪魔に提案した。


 もう少し契約してくれたら、もっともっと面白い物を見せる、と。


 悪魔は面白がったのだろう。


 私の提案を了承して、目の前から消え去った。


 復讐で、良い思いをしたのはたった一瞬だけ。


 相手が断末魔の悲鳴を残す時だけだ。


 それではあまりにも割に合わない。


 だから私は、自分が満足できるまでその悲鳴を聞き続ける事にした。


 なら、とりあえず復讐の定義を広げるところから始めよう。


 私を断罪の間に連れていった騎士団の者達?


 それとも、私を馬鹿にしていた貴族の令嬢達。

 

 それとも平民の女を応援していた、馬鹿な女・馬鹿な男達?


 視野を広げれば、まだまだ手を付けていない人間がたくさんいることに気が付いた。


 世界は広い。

 私は自由で、何でもできる。


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