04.大きな家とお手伝いさん*
「はじめまして、
上から下へとボクを流し見てくる彼女に、婚約のことなど家に訪れた
「はあ、それはそれは。そうですか。マキナさんもやっと……」
「あ、はい。今
「荷物……ですか? 私は今から食事の準備をしますからリビングで
シンクの
「ありがとうございます。でも準備は手伝わせてください。
ちょうど料理の
「そんな気を
「いえ、本当にすることが無くて暇ですから」
正直に話すと、
赤井さんか……よく知ってる人に似てる。名字も同じだし親族かも知れないな。
「今夜は何を作るんですか?」
「そうですね……」
赤井さんは少し考えたあと、予定を変えて
「では、
「はい」
流しで
ボクは人参を一口大の半分くらいに乱切りしていく。赤井さんは、お
切れた人参を
赤井さんは次にジャガイモを洗い、ピーラーをかけていく。
ザルでジャガイモをシェイクしていると扉の開く音がする。玄関の方かな?
「マキナさんが帰ってきたみたい。迎えに行ってください」
赤井さんにそう言われダイニングを出ると、
「お帰りなさい」
「え? ああ、ただいま」
はにかんで答えるマキナさんに、こちらも
帰宅したら「お帰り」しかないんだけど、言ったことで少し気まずくなったのは何でだろう。
「お帰りなさい、お
赤井さんもダイニングから顔を
「お嬢さんはやめてください、赤井さん。そんな年じゃない」
「そうですか。これからは
「それは、もっと
赤井さんとは
そのうち、気安く話せる日が来るようにしなきゃね。
調理のお手伝いをやめて、家から取って来てもらった荷物を二階の部屋に運び入れてもらう。マキナさんは荷物を置くと出ていき、おそらく
荷物をベッドに広げ簡単にチェックする。うん、
足りないとまたマキナさんに
急いで普段着に着替えるとダイニングに取って返した。
ポークジンジャーが
「マキナさん、食事ができました、ダイニングに来てください」
マキナさんを呼びに二階に上がり、部屋のドアをノックして食事ができたと伝える。
「はい。今、行きます」
返事をもらってダイニングに戻る。追っかけ、マキナさんもダイニングに入ってきた。
「「
マキナさんと対面に座って食べ始める。赤井さんは
一緒に食べればいいと思うけど、それがここの
やっぱりマキナさんはバクバク食べる。
食事を
「明日とか予定はありますか?」
「う~ん、特にないな。母には言ったけど、本家にはまだ連絡してないし、来週末にでも一緒に行ってもらうかも知れないね」
「そうなんですか」
「ああ、そうそう。服を買いに行こうか。本家に行くには着物かなあ? まあドレスでもいいけど、訪問着とか持ってるかい?」
「いえ、持ってないと思います」
たぶん、持ってない。マキナさんの
「制服じゃあ、ダメ、ですよね……」
「ふむ……面白い。君は
「叔母……そう言えば、理事長の名前が、喜多村──」
「喜多村アオイ。私の叔母だよ」
はあ~世間は
少し
「ま、まあ、服は明日、
なんか
マキナさんと理事長先生が親族なのは分かった。
出来すぎてる、このお見合いには
「分かりました」
「さ、さて私は部屋に戻る。君も部屋で片付けをした方がいいんじゃないか?」
「そうですね。食器を洗ったら上がります」
「いや、君にそんなことを求めてはいない。あ~その……
顔を赤らめて口ごもるマキナさん。分かってますって。
「子作りを
「うん。まあそうなんだが、生々しいな」
「条件をつけた方が言いますか? 保健体育の成績は良かったので任せてください。
「ブフッ!」
きちゃない、この人。いや、
「そ、その、お風呂が入ったら赤井さんが
「分かりました。一緒に入らなくていいんですか?」
再びマキナさんが噴いた。ちょっと
ダイニングを出ていく姿を追って、ボクは洗い物に立った。
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