席が近い4人組

「じゃあさっそく!俺は谷川陽介ね。陽介って呼んでいいよ。それか陽介くんでもいいよ!はい次、湊」

「早瀬湊です。親の都合で転校してきました。湊って呼んで、それか湊くんでもいいし。はい、次星名さんね」

「星名美織です。美織って呼んでください。次小春」

「はい!私は、えっと…笹川小春です。小春って呼んでね。それか、小春ちゃんかな?」


なぜか陽介くん以外敬語…。陽介くんはニコニコしてる。湊くんはクールな感じ。小春は緊張してるし。誰から話すかな。てか未来ではこうなるって見えなかったのになんで?


「小春ちゃん、緊張しないでよー」

「う、うん!陽介くん」


お、いい感じじゃん。

すると湊くんが私に話してきた。


「美織は小春ちゃんと仲良いんだね。さっきは変なこと言ってごめんね」

「何?さっきって何何????」


陽介くんが食い気味に聞いてくる。


「陽介!いいの俺らの話なんだから」

「いいじゃん、いいじゃん聞かせてよ」

「湊くんが私のこと他の子と違う的なこと言っただけだよ、たいしたことじゃないってさ」

「え?!めっちゃ気になるじゃんでもいっか」


え、そこは陽介くんいっかで終わるの?面白い子だなぁ。


「陽介くんは…その。好きな物とかありますか?」


小春は相変わらず緊張してる。


「敬語はなしよ、同級生なんだしさー。好きな物か。好きな事はお出かけかな、あとスニーカー集める事とか?」

「ほほう」

「小春ほほうって何?」


思わず笑ってしまった。


「ねぇ、みんなこんど放課後カラオケでも行かない?俺転校してきたばっかでこの辺わからなくて。おすすめスポットとか教えて欲しいし。」

「おーーーーいいね!いいね!湊は転校してきたばっかだもんな!小春、美織行こうよ!」

「うん、いいよー」

「はい!いいですよ。嬉しいですー」

「だーかーらー、敬語は直そうぜ?小春」

「はい!…じゃなくてうん!」


お昼ご飯食べ終わって

小春と2人きりになった。


「ど、ど、ど…どうしよう!」

「どした?どした?」

「陽介くんと喋れたよ」

「よかったねぇ、小春」

「うん、うん。ねぇ、美織は早瀬くん

どう?」

「どう?って?」

「好きじゃないの?」

「転校初日だよ?わかんないよ。てか好きな人出来たことないからわかんない…。」

「え!そうなんだ〜」


小春はニヤニヤしてる。そういえば私、初めてあんな風に男子と話したな。てか早瀬くんって不思議なところ多い。


親の都合でって言ってたよなー。でも、聞かないほうが良さそうな気がするし。


今日は未来で見えない事が多かった。小春が陽介くんのこと好きなのも早瀬くんが言ってきた言葉も4人でご飯食べるのも。違う事が起きるのがとっても新鮮に感じる。でもなんでなんだろう。最近は未来が変わらなかったのに。不思議。

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