転校生
5月になった。
あれからも小春とは仲良しだ。
未来はあれから変わる事はなかった。
なんであの時だけ変わったのかな。
そういえば未来では今日は転校生が来るってなってたな。早瀬湊だっけ?なんでこんな時期なんだろ。しかも私の横の席だったし。
「席に着けー」
担任の加藤夏樹先生が言った。
夏樹先生は28歳で身長が高くて黒縁メガネをかけたイケメンだ。
「えーと、今日は転校生を紹介するぞ」
教室はざわついた。
「入ってきてくれ」
すると男の子が入ってきた
「早瀬湊ですお願いします。」
その子は短髪の黒髪で身長も高めだった。
未来で見るより実物はカッコよく見えた。
「んーじゃあ。そこの空いてる席に座ってくれ。星名、早瀬は教科書がまだ間に合わなかったから見せてやってくれないか」
「わかりました」
まぁ、見せるだけだしいいか。
机をつけて教科書を真ん中に置いた
「星名さんって言うんだ?よろしくね。ありがとう」
「うん」
「そういえば、君は他の子達と違うように見える。俺にはそう見えるんだけど違う?他の子は気づいてないらしい」
「え?なんのこと?」
とぼけてみた。もしかしてこの子私に未来が見える事知ってる?だとしたら、なんでわかるんだろう。
「やっぱりいいんだ。気にしないでね」
「う、うん」
いやいや。すごく気になる。なんであんな事言ったんだろう。でも気にしないでって言ったから気にしないでおこう…。
お昼の時間になり
小春とお弁当食べていると小春が
「ねぇ、私の横の席の子カッコよくない?」
「ん?谷川陽介くんのこと?」
「そうそうそう、でも私地味だし谷川くんはみんなの人気者だから近づけそうにないよ。あっちは普通に話してくるけど恥ずかしくて喋れない」
谷川陽介くんはクラスの人気者だ。誰にでも気さくに話しかけるし、誰が困っていたらすぐ助けるし、誰かがいじられたりしたらすぐ庇うし、ポジティブ人間でそんな谷川くんは女子からモテるし男子からも人気がある。それにパッチリ二重で身長も高く、髪は地毛の赤茶色。何よりカッコいい。
「小春は谷川くんが好きでしょ」
「え?!好きっていうか話してみたい」
「それ好きって事じゃないの?」
「そうなのかな?」
こんな小春は初めてみた顔も耳も真っ赤だった。私も恋をしてみたいな。でも恋しても未来が見えてしまうから全部だいたいわかってしまうんだろう。
すると横の席の早瀬くんが
前の席の谷川くんに話しかけ始めた。
「谷川くん?だっけ?」
「あ、転校生の早瀬くん?湊って呼んでもいい?」
「いいよ!ねぇ、星名さんと笹川さんと
4人でお昼食べようよ」
「ん?いいよ!どして?」
「僕は今日初めて話したクラスメイトが星名さんで席も隣だから仲良くなりたいし、みんな席が近いから喋ったりするのも楽しそうだなって思って」
「そっか!まだ学校に慣れてないみたいだし。」
「ねぇ、笹川さん、星名さん湊と俺、一緒に食べてもいい?」
「え?!!!!!!」
びっくりした。さっき、谷川くんの話してたばっかなのにもしかして早瀬くんが話聞いてたから?まぁ小春にとってチャンスだし。いいか。
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