放課後

放課後になった。未来では遊びに行く事になっていたんだけど。小春からの誘いはまだない。自分から誘ってみようかな。


「ねぇ、小春」

「ん?」

「放課後一緒に遊びに行かない?」

「いいね!行く行く。美織から誘ってくれて嬉しいなぁ」

「じゃ、行こっか」


初めて人を遊びに誘った。少しでも変わったのかな。誘う時ドキドキしたけど返事が来てとっても嬉しい気持ちになった。ちょっと積極的になれた自分を褒めてあげたい。


未来では見えなかった事をいっぱいした。おいしい食べ物食べたり映画みたりお喋りしたりたくさん。小春は楽しそうだった。もちろん私も嬉しかった。あぁ、友達ってこんな感じなのかな?って思った。


「ごめんね小春、私が誘ったからこんなに遅くまで遊んじゃったね」

「え?」

「だって私が誘ったからもう20時半だしお父さんお母さん心配してない?」

「なんで?美織楽しくなかったの?」

「え?」

「ごめんねってこれからは言ったらだめだよ!楽しかったんだからいいじゃん。遅くなったりしてもいいんだよ。本当に自分が悪いことをしたりした時だけごめんねって言えばいいの。ありがとう、今日は誘ってくれて私は楽しかったよ!!」


小春が言った事に気付かされた。私の口癖がいつも『ごめんね』だった事に。そういえばなんでごめんねって先に言ってしまってたんだろう。ごめんねって先に言う事で相手を悲しい気持ちにさせてるなんて考えてもなかった


「私も楽しかったよ!ごめんって言ってごめん」

「ごめんって言わないって言ったじゃん」


って言いながら小春は笑っていた。


「じゃあそろそろ帰ろっか」

「うん、じゃあまた明日ね」


小春と別れて家まで1人歩きながら今までを振り返っていた。ごめんって言う言葉は相手に不快な気持ちにさせるからこれからはありがとうを伝えよう。いつもネガティブな気持ちばかりが勝っていたけどもっとポジティブになれば今までの私とサヨナラできるかもしれない。それに未来が見えなくなるかも。そういえば未来に抗ってみたら未来と違う展開になってきたなぁ。やっぱり自分を持つことが大事なのか。自分って何?そういえば自分って何なんだろう自分を好きになることってどうしたらできるんだろうか。

と色々考えていたら家にいついていた。


「美織!!もう、こんな遅くまでどこ行ってたの?心配したんだからね?連絡くらいしなきゃダメでしょっ!」


お母さんが心配そうに見ていた

あ!そういえばお母さんに今日遊ぶこと言ってないしLINEもしてないわ…。


「おぉ、美織。とりあえずおかえり。ちゃんと連絡はしような?」


お父さんもちょっと心配してたみたい。


「ごめんなさい。心配かけて」

「いいのよ、ご飯は食べてきたの?」

「うん、友達と遊んできたんだ」

「え?」

「うん?友達と遊んできたの」

「美織〜。友達が出来たのね。お母さん嬉しいわ」


今まで、私は友達を作ってこなかったからなのかお母さんは心配していたみたいだ。2人ともニコニコしてる。なんかいい方向に進んできてるみたい。もちろん親には未来が見えるなんて言ってない。心配してしまうし、びっくりさせてしまうと思っていたから。でも、自分の悩みを少しでも親に話したほうが自分の答えが導き出せるのかな?

いや、まだ誰にも話す事はやめておこう。


お風呂に入って寝室へ寝る前にまた未来が見えた。もう未来なんて見えてほしくないそう思いながら眠りについた。

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