他薦続き(短編)
机に積み上げてあった書物をそれぞれ棚を決めて配架すると、クルックスは床にあるもう一つの箱から封筒を取り出した。
「追加で来たからこれもね。どちらも短いし、読んでごらん」
そう言って差し出されたのは、二人の少女の物語。
「適当女は性悪姫を笑わせたい/烏目浩輔(からすめこうすけ)さま」(短編)
https://kakuyomu.jp/works/16816410413913147491/reviews/16816452218466849997
家族の犯罪というやや重たい内容も含むが、読後は極めて良いものだ。これから友人を作っていくだろうスピカにとっては、友達とは何かを考えるにもいいだろう。
「こっちも?」
対してスピカが取り上げた封筒も薄い。雪模様の装丁の美しい本である——だがクルックスはそれを慌てて取り上げた。
「こっちはまだ早いかな。読めるくらいの年になったらまた、ね」
確かに秀作であるのは確かだし、大人ならば多くの人が読んで物語世界に身を馳せることができるだろう。しかし内容が大人びているので、まだスピカには早い。味わい深いところがわかる年齢になったらで良い。こちらも静謐な地の文が読むに心地よく、またあらすじも意表をつく傑作なのだが。
「雪の街/澄田こころさま」(短編)
https://kakuyomu.jp/works/16816410413975236398
(セルフレイティングに性描写あり、が含まれますので子供のスピカには……ですが、素晴らしい起承転結と文体のバランスでした)
***
こんばんは。ご飯作り前の一服です。ちょっと時間がないので、今日の行き帰りで読んだものからこれは! と思った二作を。
詳細はリンク先のレビューをご覧ください。前者は後腐れのない爽やかな読後感を与えてくれる、二人の少女のお話です。べったりなわけではないけれど、本当に心が通った友情ってこうよね、と思います。
後者のこころさんはもう、これは読むしかないです。びっくりしました。そして文章が年末年始の雪の中を思わせるような静謐さ。良かったです。
コンテスト期間が短いですし、週末なので今夜は読める方も多いかもですから、早め早めの他薦、ということで取り急ぎ!
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