野林緑里様の自主企画用2&他薦
ラピスが書簡を読み終えると、クエルクスが隣に腰掛けて尋ねた。
「返信はどうするんです?」
「城に帰ってからだと周りがうるさいかな。いま、文面は考えちゃいましょう」
書簡をクエルクスに渡して、ラピスは海風に耳を澄ませるように目を閉じた。
「クエル、代わりに質問に答えてみない?」
「え」
「いくわよー」
質問1 あなたのプロフィールおしえてください
——半島の南端に位置する国、ユークレースの王女ラピス様に仕えております。歳は十九。
質問2 あなたの出ている作品の紹介をどうぞ
——旅の話になります。自分が忠義を尽くす国王陛下のため、ラピス様とともに伝説の果実、いわゆる『楽園の果実』を求めて北上いたしました。旅記録は同じ表題にてお送りいたします。
質問3 その作品でもあなたの役割はなんですか?
——命を受け、ラピス様に随行する——この役目を全うできるかどうかは……
質問4 今後、あなたはどうありたいですか?目標や希望はありますか?
——自分の意思を貫きたいと思っております。目標や希望は……自分の立場において望むことが許されるとは思っておりません。
ささやかな希望を申し上げれば、ラピス様には無茶をせずにいらして欲しいと。
質問5 あなた以外の登場人物を何人か教えて下さい
——登場人物が少ないので、増やしてみたらしいですよ。語り部が。既に出てきた人物では自分の友人である宿屋の主人、グラディと星読みの青年が気に入っているらしいです。ようやく中盤を過ぎてから名前のある人物が増えるとか。
質問6 一言どうぞ
——どうもこんな姫君らしからぬ姫君で申し訳ない。とりあえず各地で眺めた情景は目を見張る素晴らしさでした。それぞれの季節の美しさや、息を呑む星空の様子を伝えることができたらいい、そう思っています。
え、自分とラピス様ですか? あぁ……なんかもう、どうしたらいいんでしょうね、この人。なんというか、もうちょっと、こっちの心境も配慮してほしいというかなんというか。年頃の姫様と二人旅っていうのは……結構、精神的に……
「クエル、途中から答えが聞こえないのだけれど」
つむっていた目を開けて、ラピスがクエルクスの方を睨むと、クエルクスはラピスの視線から逃れるように顔を背けた。
「ちょっと聞いてる?」
「はいはい、聞いてます。はい、これ今日の授業課題ですよ、面白いから読んでおいてくださいね」
いつものように適当にラピスの詰問をあしらうと(ただし白い顔が心なしか赤い)、クエルクスはラピスに帳面を渡した。表紙には『こちら水瓶署生活安全課防犯係』とある。https://kakuyomu.jp/works/1177354054935794045
中を開くと、街の治安保持や犯罪の取り締まり等々に帆走する現場の警備人員の活動が事細かに記してある。
「国民の安全にとって重要なことですからね。ラピス様にも読みやすいようになっています。きっちり学んでください」
***
更新が遅くなりました。今日は質問をクエルクスに答えてもらいました。彼は人気が出ているようで、嬉しいです。そんなに格好いいですかね?
それと他薦。カクヨムコン作品長編で追えているものが少ないのですが、一つご紹介。こちらの薮坂さんの作品は面白いです。警察官のお話。専門的知識も多く、勉強にもなります。主人公の詩織さんがまた良いです。正義感があって優しくて。
そうそう、本日、かわのほとり様から私の参加作二つにお星様いただきました。ありがとうございます。
しかし『時の迷い路』の方は、以前星を入れてくださった方が退会なされたのか、数変わらず。今現在99なので、あと一歩です。
焦らず、いいお話が書けますように。執筆は常に不安とお友達。ご意見ご感想、お待ち申し上げております。
それでは取り急ぎ!
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