04 次は来ない

三佐が、パトカーを出さない。


「いいのかよ」


「何が?」


「ほれ。あの女子生徒。泣き始めたぞ」


「青春真っ盛りだから、感情の起伏が大きいんだ。あんなに泣いていても、1日経てば元通りだ」


「そうか。お前は、それでいいのか?」


「よくないよ。彼女のことは好きだったし。でも、まあ、仕事だから。仕方ないかな」


「お前は、そうやって割りきれるんだな。俺とは大違いだ」


「三佐は追いかけるタイプなのか?」


「そりゃあもう、何年もかけて執念深く」


「さすが刑事だ。さあ、行ってくれ。離れがたくなる。駅前の、できれば公園の近くまで」

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