第6話 神の迷宮にて
目が覚めるとソコは清潔そうな壁だった。
何時間も前の話だけど、目が覚めた僕を取り囲んでたのは羽の生えた白い巨人ども。
何匹いるのは分からないけどコイツら見た瞬間に僕は状況がピーンときた。
その理由を語るには余りにも時間がかかるから後々、ただ言えるのは僕がコイツらを知ってるってこと。
まあ多少美化されて子供向けの本にも出てくるような連中だから存在だけなら誰でも知ってる様な連中なんだけどな。
コイツらの名称は使徒、天使上がりの神である八百万の神達が其々拠点として作るダンジョンの、まあゲーム的に言うなら無限湧きするモンスターみたいな存在だ。
元となった天使と近い姿で現れるから獣とか虫の形状で現れる場合が多いんだけど、今回は素体が人間らしい。
使徒っつ〜のはどうにも無駄にデカイらしく軽く見回せば直ぐに小型が見当たらないと気付いた。
因みにだけど天使が作ったダンジョンは塔みたいな見た目で現れる。
何でも天に届く神聖の象徴とか学術的に言うらしくて、実際に天使は自らの力を伸ばせば伸ばすほど塔は高くなるらしい。
そして悪魔もダンジョンを持つ奴がたくさん居るらしいんだけど、こうゆうダンジョンに湧くのは眷属と呼ばれる悪魔版の使徒だ。
そして悪魔のダンジョンは地下に現れる。
その力を高めれば高めるほどダンジョンは奥深くに沈んでいく、とか言われてる。
と、話は戻って僕の現状だが、、、
僕は使徒をシバキ回っていた。
使徒とか眷属の足らい方とか倒し方は知ってればそう難しくない。
とくに実技経験の豊富な僕は使徒に苦戦したりしない。
光に包まれ少しずつ姿を失っていく使徒の亡骸に座った僕は今、半透明のプカプカ浮かんだ板を操作していた。
この世界はかなりゲーム的だよな〜ってふとした時に思う。
例えばコレ、ダンジョンの使徒とか眷属達は命潰えるまで食事を必要としない。
そして狩られると姿を消失し光の粒子を討伐者に流す。
するとウインドウって呼ばれる半透明の板に表示が増えて、例えば経験値が増えステータスが上がったり画面右上の残高が増えたりアイテムボックスに素材とか既に加工された武器が収納されたりするのだ。
この残高でアイテムショップから色んなものを買ったり物を売って残高を増やしたりできる。
例えば僕がアイテムボックスを整理しつつ食べてる乾パンは12ポイントで食べれる簡易で沢山入った広告の品出し、まあそうゆう気の利いたサービスもある。
コレだってショップで買った物だ、僕が途中から使ったボロボロの剣。
コレは50ポイントと凄い安さをしてる。
と言うのも僕がいるダンジョンは使徒のレベルはソコソコだけど実りは良いボーナスステージみたいな場所なのだ。
ダンジョンと一括りに言ってもその性質は千差万別だ。
運営の性格が出るからこそこうゆうボーナスステージみたいな場所から実りは少ないのに難易度はバカ高い絶対好かれない様なダンジョンまで沢山ある。
後者を運営してるのは元となるのが人間じゃない場合が多いかな?
、、、僕はそんな事を考えながら整理を終えるとウインドウを閉じて丁度殆ど消えた足場を飛び降りて安全エリアの外で群がる使徒どもに歩みを向けた。
「さてと、荒稼ぎしようかなっ!」
復讐に取り憑かれた生贄の成長期 カランドウ @tyokomiruku
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