第48話 まだまだ子供なこてつのアホ事情。
「まだまだ寒いわねぇ。」「そうですね、でもこうして2匹と2人、朝を迎えられるなんてとても嬉しいです!!」
「キッドさん、眠くないですか?」「うん。大丈夫です!」「ミルキーちゃんは!?」「私はキッドさんとお泊まりが出来て幸せです!」
家の周りをウロウロ。僕もミルキーちゃんも歩けないので、お互いのご主人様が抱っこをしてくれていた。
すると…
「待て!!こてつ!!」
「え?」「な、なんかキッドさんにそっくりなチワワさんだけが爆走してきます…」
こてつがちあきちゃんのリードから離れて、こちらへ向かってダダダと走ってくるらしい。
「あらあらあら(笑)元気なチワワちゃんねぇ!!」「こてつ君じゃない!!…あ、ちあきちゃん!」「お姉ちゃん!こてつ捕まえて!!」
かおりさんが僕を片手で抱き抱えながら、なにやらハッハッと荒ぶっているこてつを宥めている模様。
「おい!こらぁ!キッド!てめぇズルいぞ!」「な、何がですか!?」「なんかいい匂いすんなぁと思ったら、すげーかわいこちゃんと一緒にいるじゃねーか!!」
こいつはチャラ男決定です。
ミルキーちゃんもドン引きしてますよ、きっと。
匂いに誘われ、爆走するとははしたないですよ、こてつ。
「お姉ちゃん、ありがとう!」「どうしたの!?」「外に出たら突然こてつが走り出したから、ちあき思わず転んじゃってっ…」
「キッド、紹介しろ。」「何をですか?」「その美女をだよ!!」「ミルキーちゃんです。」「ミルキーです。初めまして。」
「ギャオオオオーーーーーン!!」
な、なんですか!?こてつ、興奮し過ぎじゃないですか!?
何で吠えるですか!?…どれだけ飢えてるんですか(笑)
「ミ、ミルキーさん。」「何でしょうか!?」「好きです。」「え?」「僕の彼女になってください。」「ごめんなさい。キッドさんと結婚してるの。」
「ギャウォウォォォォーーーーン!!」
「いちいちやかましいですね(笑)」「生まれて初めて振られた…」「こてつさん?で良かったかしら?」「こてつでもさてつでも何でもいいです…」「もし良ければ、私とお友達になって頂けませんか?」
「ウ、ウォン。」
び、微妙な鳴き声。きっと納得行ってないけど仕方なくって感じでしょうかねぇ(笑)しかし、ミルキーちゃんは何処へ行っても人気ですねぇ。テレビに出てもおかしくないくらいの可愛さなんですよねぇ…。
「こてつ、ミルキーちゃんとお友達になりたいのね。」「ミルキー、少しだけご挨拶する?ほら。」
ミルキーちゃんのご主人様が、ミルキーちゃんを地面スレスレに降ろす…と!!!!
「き、きゃぁっ!!」「こ、こてつ!!ミルキーちゃんに何をしてるですかっ!?」
こてつがミルキーちゃんに腰フリフリをし出したらしい。
全ご主人様、呆然…。
「さ、最低です!!離れて下さい!!」「え?」「こてつ!!それは駄目です!!バカ!!」「え?」「キッドさん!!助けて!!」
ちあきちゃんが、「こらっ!」とこてつを叱り、無理矢理ミルキーちゃんから剥がす。そしてお尻をペシンと叩く音が聞こえた。それに対して、こてつはガオーッと威嚇。
…本当にこてつはアホです。
「こてつさん、だいっ嫌いです!!」「え?どうして?」「顔も見たくありません!!」「……?」「こてつ、君はまだまだ子供ですね。」
こんな日もある。
こてつ、ドンマイです。
こうして、ミルキーちゃんにガルルと起こられたこてつは尻尾をフリフリさせながらご帰宅。
それと共に、僕達も家の中へと入りミルキーちゃん達は帰り支度を始めた。
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