第41話 チワワVSチワワ
「おい、お前っ!」「お、お前!?」「お前のご主人様、可愛いじゃねーか!!」
あれ?5ヶ月ですよね?こんなに口悪いですか!?
こんなに態度デカい5ヶ月います?
僕が礼儀正しいだけですか!?いや、僕も負けてられません!!
売られた喧嘩は勝ってやりますとも!!
「お、おいお前っ!」「何だよ。」「5ヶ月のくせに生意気だぞ!!」「ふん、オムツ履いてる奴に言われたくないね。」
ムキーーーーーッ!!!!!
何なんですかこいつはっ!!血管切れてぶっ倒れそうです!!
「な、なんかキッちゃん怒ってる?」「こてつ、ヤンチャだから嫌なのかなぁ。」
そうですよ!おねえちゃん!ヤンチャ通り越してクソガキですよ!!躾がなってませんよ!!
僕みたいにおりこうさんじゃないと…
「あ、こらこてつ!また腰フリフリしちゃダメ!」「あはは(笑)元気だねぇー!!」
かおりさん!!ベシッてしていいです!僕が許可します!!
僕ですらフリフリなんてしたことないのに!
これ以上したら顔にくしゃみかけますよっ!!
「おねえちゃん、お名前は?」「ちあき!」「ちあきちゃんはこてつ君のご主人様なの?」「うん!どうしてもこてつが欲しくて毎日毎日おねだりして飼ってもらったの!!」「そう、よかったねぇ。」「キッドはどうしてオムツしてるの?」「うん、ちょっと病気なの。」
「おいキッド。」「僕を呼び捨てしたな!?」「友達になってやってもいいぜ。」「遠慮しときます。」「やだやだやだやだ!友達になれ!!」
…あ、意外と子供なんですね。
可愛い所もあるじゃないですか。これならまだ許せます。
でも、まだまだかおりさんに腰フリフリしたのは許しませんよ!!
「僕は目が見えない。まともに歩けないし、散歩だって出来ない。」「なんでた?」「そういう病気だから。」「だから何?」「…え?」「友達になるのに、そんなの関係ねーだろ!!」
…いい奴でした。
5ヶ月と侮っていましたが、こいつ中々男気があって強いチワワです。
どうしますかね?友達…なれますかね!?
「こてつも病気なんだ。」「何の?」「言うことを聞いてくれない病気!」「あっははは!(笑)それは大変だ(笑)」
かおりさん、とっても楽しそう…、まだ笑ってる。
ちあきちゃん、ありがとう。かおりさんを笑わせてくれて。
どんな話か聞いてなかったけど、かおりさんがこんなに大笑いしたのは久しぶりです。
「おい、キッド!友達になれ!」「えー…」「ならなかったら吠えるぞ!」「どうぞ?」「決めた!今からお前と俺は兄弟だ!!」「き、兄弟!?」「俺がお兄ちゃんで、お前が弟!」
やっぱりこの犬、頭悪いです。話してて疲れてきました。もう帰りたいです…。
「じゃぁ、ちあきちゃん。またね。」「うん!またキッド見せてね!!」「いつでも大歓迎です!」「こてつ行くよ!!」
「やだね。」「え!!ご主人様が帰るって…」「やだやだやだやだ!」
「ギャオオオオン!」「こてつ!!」「ギャワワン!ギャンギャン!!」「いいから帰るよ!!」
「こ、こてつ!また明日会うから今日は帰りなよ!」「明日?本当だな?」「う、うん。」「なら帰る。じゃぁな!!」
な、何なんですか!?このたんじかんで凄く疲れたんですが…。あのこてつという犬、相当ヤンチャ過ぎます。
「元気なチワワちゃん(笑)ね、キッちゃん。さ、お家に入ろう!!」
なんだか、僕はこてつに敗北した感満載のまま、家の中へと入った。
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