第34話 帰宅後の病院は…噛みますよ!!
「ただいまーっ!!疲れた?キッちゃん、大丈夫!?」
プチ長旅を終え、お家へと戻ってきた僕達はやっぱり我が家が1番とソファーに腰をおろした。
「ミルキーちゃんとラブラブだったんじゃない!?なんのお話してたの?」
…かおりさんには言えません。「結婚」しただなんて。
かおりさんが悲しんでしまいます。隠し事は胸が痛みますが、これは内緒にしておきます…。
「新年かぁ…今年の目標は何にしようかなぁ。」
去年は沢山我慢したかおりさん。
沢山闘って来たかおりさん。あの男と離れてから、本当の笑顔を見せてくれるようになったかおりさん。
凄く、凄く辛かったんだと思う。
「今年はキッちゃんと海の見えるコテージにお泊まりに行きたいなー!」
海ですかっ!!あそこは僕と水の決闘の場所ですよぉ!?
「もうすぐ10ヶ月のお祝いもあるし、今回はばぁばの家でお祝いしようかっ!!」
わーいわーい!!ばぁばの家大好きです!!チョコだかチェコだかにも会えますね!!楽しみです!!
「その前に、病院が始まったら行こうね!」「グゥゥゥ…」「不満なの!?(笑)」「ングゥゥ…」「最近、反抗期だね、キッちゃん(笑)でも、行かないと良くならないから行こうね!」
いくら抵抗しても行くはめになるです。
だから、我慢して行きますが痛い事したら容赦なく噛みますからね!!
そして、今日も僕は右周りの旋回を始める。歩きたくないのに、どうしても歩いてしまう。
身体が疲れ、時にペションとそこで休んでしまう。
反対側に行きたくも、その行為をしないと行けない。
きっと、それが「病」なのだろう。
そして、お正月明け…
「キッちゃん、病院いくよ!!」
ポーンとポポーンと車に乗せられ、僕は病院へと向かう。
ブスッ……。
今、お尻に刺しましたね?もう慣れっこですけど、刺しましたね!?
「グゥゥゥ…」「あれからどうですか?」「相変わらず右周りの旋回と手足に力は入らないみたいです。」「眼圧を計らせて下さい。目の状態も。」「ガゥルルルル…」「元気は元気なんですね!」「そうなんです。」
眩しい光が当てられ、それと同時にヒョイと持ち上げられた僕は何度も台の上で立ち上がりの様子を確認される。
「うーん…やっぱり少しずつは左目も見えなくなって来てますね。力も前に比べると足りません。」「どうしたらいいですか!?」「薬を変えます。痙攣は今まで無いんですよね?」「今の所は…」「もし痙攣が出たら、すぐに来て下さい。電話でも構いません。」「分かりました。」「それと、薬の副作用で食欲が増します。これ以上体重が増えない様に気を付けて下さい。」「分かりました。」
こうして診察は終了。
今日から新しいお薬が始まる。
僕からしてみれば、どのお薬も同じなんですが…仕方ないです。
「キッちゃん、これで少し治まるといいね。」「……」「あ、また無視した。」「……」「ばぁばの家行く?」「キャワン!」「なんなの、もう(笑)」
車でほんのちょっとの距離にある場所。
ばぁばのお家がある。
僕はクンクンと匂いを嗅ぎ、間も無く到着するばぁばの家をワクワクと楽しみにしていた。
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