第32話 愛の告白。
「…あ。寝てしまいました。」「おはようございます。キッドさん。」「ケーキがあまりにも美味しくて…」「私はキッドさんの側に居れて幸せです。」
目を覚まし、かおりさんに視線を向けるとミルキーちゃんのご主人様と楽しそうに話をしている。
「ミルキーちゃんのベッド、ふかふかですねぇ。」「今日、泊まって行かれたらどうですか?」「んー、かおりさん次第かなぁ。」
ミルキーちゃんはとても優しい。見るたびにお顔も綺麗になっていって…とても自慢なお友達です。
「あ、キッド起きた?じゃぁ、そろそろ…」「ウォンウォン!!」「あら、ミルキーどうしたの!?」「クゥーンクゥーン…」「ふふふ(笑)まだキッドちゃんにいて欲しいみたいね!」「でも、お邪魔じゃないですか?」「全然!?夕食食べて行って貰えると助かるわ!買いすぎちゃって…」「じゃぁ、お手伝いさせて頂きます!!」
「キッドさん、まだ一緒にいれますよ!!」「いいの!?」「私は幸せです!キッドさんは!?」「僕もミルキーちゃんといれて楽しいよっ!!」
嬉しくて心が弾む。楽しくて心が踊る。
そんな時間が今はとても大事で宝物…。
「キッドさん、体調はどうですか?」「うん。僕には…あまりよく分からないんだ。でも、頑張るしかないって事だけかな。」「そうですか…。また一緒にあの公園でお散歩したいですね。」「うん!きっと叶うよ!頑張るからね!!」
一方、かおりさん達は台所でワイワイ楽しそうにしていた。
「娘が出来たみたいで楽しいわぁ。家、息子だけだったから。」「…だった?」「うん、小児癌でね。小さい頃に亡くなってるの。」「…すみません。」「いいのよっ!!でも、それから2人目なんて考えられなくてね。主人とずっと2人で暮らしてきて…それでミルキーに一目惚れしたの。」
「息子の生まれ変わりなんじゃないかって思ったのよ。」
「悲しいけど、とても…素敵なお話ですね。」「ミルキー無しではもう生きて行けない。大事な大事な家族なの。」「今日はご主人は一緒じゃないんですか?」「えぇ。毎日一緒にいると喧嘩も増えちゃうから(笑)だから今回はミルキーと2人旅!旦那は家でまったりしてるんじゃない?(笑)」
…あんなに穏やかな表情を誰かに見せるかおりさん、久しぶりです。やっぱり、ミルキーちゃんのご主人様はとてもいい人です!匂いでもよく伝わって来ます。
「キッドさん。」「なんですか!?」「あの…私、キッドさんとこれからもずっと一緒にいたいです。」「どうやって?」「…結婚してください。」
結婚ってなんですか?
何かお願いされましたけど…「うん」って言っていいものなんですか!?
「結婚って…何ですか!?」「夫婦になることです。」「夫婦ってなんですか?」「赤ちゃんを作る事です。」「どうやって赤ちゃんを作るの?」「えっ!?」
ミルキーちゃんの顔が真っ赤になる。
…はて?何かお酒でも飲みましたか?
あまりにも無知な僕は、ミルキーちゃんにとても失礼な質問をしまくっていた。
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