第25話 仲間との再会&約束。
ある日の昼下がりの事です。
「キッちゃん、今日は久々に前のお散歩コースに行ってみようか!!」
ん?何ですか!?もうお散歩デートですか!?
今日は随分と早…
今日も僕はかおりさんにケージに入れられ、車にポーン。
もう、お決まりのセリフになってます…。
そして、やって来たのは…
「キャンキャン!!」「キッちゃん、分かる?覚えてる!?」
この匂い、とっても懐かしい…。
そして、このお散歩コース。しっかりと覚えてる。
「キャンキャン!」「今日はここで4時のお散歩しよう!!」
いつもより少し早めのお散歩デート。
僕は久しぶりにお手紙をクンクンと読み漁る。
「仲間」のお手紙が沢山落ちている。
本当に懐かしい…。
「キッドさん…!?」「…ミルキーちゃん!!」「やっぱりキッドさんですね!!またお会い出来てとても嬉しいです!!」
元気そうなミルキーちゃん。僕よりも少し大きくなっている。
「お久しぶりね!!お元気だった!?…色々と大変だったのね。」「細々とですが、この子と元気に頑張ってます。」「でも、あの頃よりも笑顔が素敵よ!!」「ありがとうございます。」
かおりさん達も、久しぶりの再開に花を咲かせている。
「今日は?ドライブ?」「えぇ…、この子が歩ける内にこの場所でお散歩をさせてあげたくて。」「え?」
「ねぇ、キッドさん、歩き方がぎこちないですけど…」「僕、今病気なんだ。」「大丈夫ですか!?」「うん。でも、今は片方の目がほとんど見えないし、手足も痺れて上手く走ったり出来ないんだ。」「そんな…」「あ、でも大丈夫!嫌なお薬を頑張って飲んで治してるから!!」「この短期間でそんな事が起こっていたなんて…」
ミルキーちゃんの目から涙がこぼれる。
ミルキーちゃんは本当に優しい心を持っている。優しくて強くて…憧れの親友だ。
「また…お会い出来ますか?」「うん!きっとまた会えるよ!」「頑張って病気、治して下さいね。」「ありがとう、ミルキーちゃん。」
「キッドちゃんが…そんな病気だなんて…。」「完治は無理ですが、少しでも長生きして貰えるように祈るばかりです。」「せっかく2人穏やかな生活が始まったのに…」「必ず…、必ずまたここに連れて来ますね。」
僕もかおりさんもお話が終わり、いざ帰る時…
「ウオオオウオーーーン!!」
「負けないで」
ミルキーちゃんの心からの叫びが車の中に響き渡った。
「キッちゃん、ミルキーちゃんに「またね」したら?」
「ギャオオオウォーーン!!」
「負けないよ」
また、必ず来るからね。
だから、待ってて。
今度は沢山走り回って遊ぼうね、ミルキーちゃん。
僕は、また必ず来ると心に誓い、懐かしき想い出の地を後にした。
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