第17話 一時の別れ。
「キッちゃん、4時だからお散歩行こうか!!」「キャンキャン!!」
沢山の色の葉っぱがとても綺麗ですねぇ。
匂いは少しうんち臭いのもあります。うんちの木ですか!?
「キッちゃん。このお散歩コース、暫く来れなくなるけどごめんね。でも、たまに来ようね。」「キャウン?」
「来れなくなる?」もうお散歩デートしないって事ですか?「たまに来ようね」って、どういう意味ですか?
頭にはてなマークを付けながらテクテク歩いていると、ミルキーちゃんの姿を発見!!
「ミルキーちゃん!!」「キッドさん!こんばんは。」「この間もありがとう…。」
僕はミルキーちゃんに分かる範囲内で時系列を伝えた。すると、ミルキーしゃんは泣きながら一緒に喜んでくれた。
「良かった…。本当に良かったです。」「それでね…、どうやら、暫くの間ここのお散歩のコースに来れなくなるみたいなんだ。」「きっと「お引っ越し」をされるのですね。」「お引っ越し?」「新しい住まいに行くのですよ。」
そうか。だからママしゃんは家の片付けをしていたのか…。
まさか…僕は置いて行かないですよね!?放置しませんよね!?
「ミルキーちゃんとも、たまにしか会えなくなっちゃうね。」「そうですね…。でも、私からキッドさんへのお手紙の匂いは、風に乗ってキッドさんの街にも届くと思います。」「そっか!!じゃぁ、僕も新しい街で沢山お手紙を書くよ!!」「大丈夫。私とキッドさんはとても仲の良い仲間…」
「仲間はいつまで経っても仲間ですよ。」
ミルキーちゃんに何度励まされ、何度助けられただろう。
僕は1人じゃない。「仲間」がいる。
何処に行っても、風さんがお手紙を運んでくれる。
「元気でね、ミルキーちゃん。」「キッドさんも、お身体に気をつけて。」
最後の挨拶。鼻と鼻を付け、僕らは別れた。
「キッちゃん、少し公園に寄ろうか。」「キャン!!」
沢山思い出が詰まった公園。家出もした。夜に散歩をしてママしゃんの涙を見た。
…沢山うんちもしました。
少し寂しいけれど、ママしゃんとなら何処へ行っても平気です。
これからも、ママしゃんの「彼氏」として頑張ります!!
「キッちゃん、今まで沢山嫌な思いさせてごめんね。」
僕はママしゃんの足にピタリとくっつき、ママしゃんを見上げる。
「もう少し早く、気が付けば良かった。愛なんて無かったのに…。どうして執着してしまっていたのだろう!?」
人間の事は分からない。
でも、一つだけ分かる事。
「ママしゃんは頑張りました。花丸あげますよ!!」
「新しいアパートの近くにも公園あるから、これからはそこで沢山遊ぼうね!!」「キャワン!!」「キッドとなら、ママは幸せなだよ!!」
こうして、僕とママしゃんは今まで住んでいた家を出た。
手に付けていたピカピカ光る指輪をテーブルの上に置いて…
僕達の新しい生活が始まろうとしていた。
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