たらればは無意味だと、わかっていても
* * *
軽やかな音が、わたしの鼓膜を揺らす。
サイドテーブルに手を伸ばす。
振れた冷たいそれを手繰り寄せて、液晶画面を見る。
朝五時を告げる数字。
だけどそれよりも、わたしはそこに出た名前に、目を見開いた。
それこそ、一気に眠気が覚めるくらいには。
「もしもし」
このとき、もしも電話に出なければ。
偶然充電が切れていれば。
それか、あの電話から、着信拒否をやめていなければ。
きっとわたしたちの未来は、もう少しマシだったかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます