第39話 レイドバトル開幕 その1
――50%や70%のプラス補正……だと?
おいおい、これってバフ効果が絶大な類のシステムだったのかよ。
しかし、そもそも俺はこの世界でアビリティなんて言葉は聞いたことないぞ?
――これもひょっとして、俺だけ使える能力みたいなノリなのか?
いや、そうなんだろうな。市民権がどうのこうのとか書いてるし。
と、なると……絶対にこれは取らなきゃダメだ。
「上位回復魔法(ハイヒール)、聖域の守護結界、癒しの右掌の3つを取得する。それと魔力値に更に10を振ってくれ」
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ステータス
名前:タイガ
職業:村人
レベル:37(限界値40)
HP 472/472→672/672(バフ効果)
MP 215/215→315/315(魔力値ボーナス)
※ バフ基本値472+バフ効果200
(400×50%(バフ基本値:100未満切り捨て))
・能力値
筋力:63
体力:15(バフ効果+3)
魔力:10→20
敏捷:25
器用:15
幸運:5
所持スキル:食いしばり レベル2
:鑑定 レベル1
:上位回復魔法(ハイヒール)レベル3(MAX)
所持アビリティ:聖域の守護結界レベル3(MAX)
癒しの右掌 レベル3(MAX)
バフ : HP 50%
体力値20%
回復量70%
残能力値ポイント:5
残スキルポイント:100→0
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これは本当に強烈な……バフ効果だな。
HPがざっくり200も増えたってことで……本当に良いんだよな?
と、俺は思わず大口を開いてあんぐりしてしまった。
いや、バフがガチで強いゲームなんかでは色んなバフを重ねて攻撃力が数倍とかは見たことがあるけどさ。
HPに対する強烈なバフってのは……あんまり記憶にないな。
いや、探せばあったんだろうけど。
と、まあ、それはともかく、何だかMPが変だな。
何だこの魔力値ボーナスってのは。しかも100も増えてるし。
と、そこで俺は「あっ……」と息を呑んだ。
いや、前々から、これについては体力を上げてもHPに変動が無かったんでおかしいと思ってたんだ。
と、なると……。
ひょっとして……、これは更に凄いことになるんじゃないか?
そうして俺は、ある種の確信と共にこう呟いた。
「体力値に残り全部振ってくれ」
で、俺はステータスを眺めて、「良しっ!」とその場でガッツポーズを取った。
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ステータス
名前:タイガ
職業:村人
レベル:37(限界値40)
HP 672/672→772/772(体力値ボーナス)→822/822(バフ効果)
MP 415/415
※ バフ効果
基礎値572+バフ効果250(バフ基本値:100未満切り捨て)(500×50%)
・能力値
筋力:63
体力:15→20(バフ効果+4)
魔力:20
敏捷:25
器用:15
幸運:5
所持スキル:食いしばり レベル2
:鑑定 レベル1
:上位回復魔法(ハイヒール)レベル3(MAX)
所持アビリティ:聖域の守護結界レベル3(MAX)
癒しの右掌 レベル3(MAX)
所持サブ職業 ;回復術師
バフ : HP 50%
体力値20%
回復量70%
残能力値ポイント:5→0
残スキルポイント:0
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うっし、予想通りだ。
どうやら、一定値に達すればHPやMPにボーナス補正が入るらしい。
しかも、その効果は絶大で100も増えた。更にバフの効果もついて、倍率ドンってところだな。
とりあえず、今回はそれぞれの能力値が20に到達したことをトリガーにボーナスが発生したみたいだ。
法則性は絶対にあると思うが、次のボーナスがどこで発生するかは分からない。
まあ、ここは今後……要検証だな。
ともかく、これは思わぬ収穫というか、文字通りのボーナスってところだな。
それも不意打ちで来たからこれほど嬉しいことは無い。
HPもMPも、ソロでやっていく以上は一番欲しいところだったし。
「ともかく……ヤベエなスキルツリーの効果……」
今回で一気に、俺は滅茶苦茶強くなったんじゃないか?
何しろHPが倍近くになったんだもんな。
と、いうか、本来的には今までが、バフを未使用の縛りプレイに近い感じと言った方が適切なんだろうな。
とりあえず、これで俺がAランクの領域に完全に入り込んだのは間違いないだろう。
☆★☆★☆★
「さて……どうするか?」
数値上だけのことなのでイマイチ実感は湧かないが……、まあ、強くなったんだと思う。
回復術も使えるようになったし、HPに至ってはおおよそ2倍だからな。
スキルポイントは一日で5も貰えるので、単純計算で20日で一回似たようなことができるってことだ。
しかも、サブ職業のスタートダッシュボーナスとやらで、下位職業の場合はスキルを3つもタダでくれるらしい。
なので、この場合は回復術のスキルツリーは一旦放置で……他のサブ職業の獲っていくのが正解だろう。
で、残る有力な強化方法なんだが――
――レイドバトル
これについては参加期限は今日までだし、これ以上の保留はできない。
でも、これって死亡の危険性とか怖いことを言ってたんだよな……。
神の声が言うには≪嫉妬の女帝≫はスキルボードを使用する前の俺で勝率0%だ。
で、あの時に確かに≪スキルボード≫と≪レイドバトル≫をやれと言っていた。
ショップ機能の、有償虹魔水晶ってのが何なのか分からん。
だが、≪能力値割り振り≫も≪スキルボード≫もぶっ壊れ性能だったことから、間違いなくコイツもぶっ壊れなんだろう。
逆に言えば、≪スキルボード≫と≪レイドバトル≫の両方の強化法を施さなければ、俺は死ぬということだ。
しかし、レイドバトルそのものに死亡の可能性もあるわけだし……。
「ま、ここはやるしかないんだろう」
普通に考えて、どちらがリスクが高いかと言えば≪嫉妬の女帝≫だ。
システムはレイドバトルで死ぬ危険性があるとは言っていたが、確定死とは言ってないしな。
しかし、いざ……やるとなれば、ビビっちまうのも仕方ないか。
ホフマンさん達との飲み会を始める前に、既に手持ちの金はポーションやら状態異常回復薬やら、保存食なんかには街で代えている。
そもそも、今日と言う日を待っていたのは、スキルポイントが100になるまで待ってたってだけの話だ。
そうなんだ。
もう、既に準備は万端なんだよ。
逆に言うなら、これ以上の準備はもうできない。
さあ、本当にどうするかな?
――今まで、危ない橋なら散々渡り続けてきただろ?
そう自問自答し、俺は小さく頷きこう言った。
「レイドバトルを開始したい」
そうして、一面が白色に発光し、全ての景色がホワイトアウトしていった。
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