第5話 ムスタファ・センターとガーデン・バイ・ザ・ベイ

 エスプラネード駅から Circle Line でドビーゴート駅へ。North East Line に乗り換えてファーラーパーク駅下車。


 歩いて5分くらいで、リトルインディアのムスタファ・センターに到着した。


 ここは安くて商品が豊富なのでお土産ゲットにいい。

 難点は、迷子になって物酔いしそうになること。


 アーユルヴェーダ商品が数多くあり、Himaiayaのリップバームやインドネシアのellipsのヘアオイル、マレーシアのBOH Teaや、ホワイトコーヒーはお土産に最適。


 

 でも、私が今日買いに来たのはサンダルよ!


 ビーズが綺麗な物、黒い紐だけのシンプルなもの。

 どれもヒールが低くて、シンガポールのスコールに濡れても直ぐ乾く機能的なデザインたち。


 私が持っている仕事用のヒール靴なんて、この街には似合わない。


 心機一転!

 生まれ変わるために、ここに来たんだから。


 気に入った一足を買って、店外に出たところで早速履き替える。


 よし! これから歩き廻るぞ!


 リトルインディア・アーケードでヘナアートの出店でみせを発見。

 思い切って左腕に描いてもらう。

 幾重にも重なり合う線が、瞬く間に美しい花を描きだした。


 綺麗……


 身も心も弾む、そんな至福のひととき。


 

 テッカセンターのホーカーで1$プラタを食べた後、リトルインディア駅から Downtown Line でベイフロント駅へ戻り、Gardens by the Bayガーデンズ・バイ・ザ・ベイ へ向かった。


 

 広々とした庭園は、色とりどりの花と緑で溢れている。


 スーパーツリー樹木の形の鉄塔がいくつも佇んでいて近未来的な様相だが、その側面にもたくさんの植樹が施されているため、無機質な感じは無い。

 むしろこれだけ綺麗に手入れする労力を思うと、シンガポールの技術と本気に圧倒された。


 巨大な温室が二つ。


 一つ目のクラウドフォレストには、中央の滝から降りしきる水音が響き、その側面には高地、山地で咲く植物が咲き乱れている。

 マイナスイオンに満たされた空間に、思わず深呼吸した。

 

 二つ目のフラワードームは、世界中の花が地域ごとに展示されている。

 ここを巡るだけで世界を巡れる贅沢さ。

 花の香に酔いしれた。


 

 とその時、ボタニカルな香に似た人を見かけた。


 あっ!


 思わず上がったテンションは、その横に並ぶ美人の姿に急降下。

 

 そうだよね。彼女いるはずだよね。


 一気に下がる気分を持て余した私は、そのまま出口へ直行すると、お土産屋さんへ移動することにした。

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