第4話 チャイナタウンとマーライオン

 彰人と泊まる予定だったホテルはやめて、自分で予約したホテルは Chine Townチャイナ・タウン のすぐ近くで、観光に便利な立地。

 

 伝統的建物のショップハウスを、ホテルに改造した作り。

 赤と黒の外観は中華テイストだけれど、部屋は機能的でシンプルだった。


 ここにして良かった!

 少し寝てからチャイナタウン散策に行こう。



 チャイナタウンは面白い場所である。


 仏教寺院の仏牙寺龍華院ぶつがじりゅうかいん

 ヒンズー教のスリ・マリアマン寺院

 イスラム教のジャマエ・モスク


 全てが所狭しと建てられていて、多民族国家、シンガポールを色濃く映し出している。


 安い土産物屋がひしめき合う通りを散策していると、『花文字』で名前を描いてくれるお店があった。

 絵筆では無く、判子の様な物を使ってまたたく間に描きあげる様子に、感嘆の声が漏れる。

 色とりどりの鳥や鯉、山河や花の絵を描きこんだ文字は美しかった。


 一回りした後、チャイナ・コンプレックスでチャイナドレスの下見をして、マックスウェル・ホーカー・センターで、『天天』のチキンライスを食べて部屋へ帰った。


 もちろん、ホテル近くの『東興』のエッグタルトも買ったわよ。甘い物大好きだから。


 次の日、最寄り駅の テロック・エア駅から Downtown Lineに乗った。

 ベイフロント駅で Circle Line に乗り換えて エスプラネード駅へ。

 

 ここから少し歩いて、先ずはマーライオン公園へ向かう。

 

 ライオンの顔に魚のしっぽ。

 水を吐き続けている姿はシュールだ。

 同じエリアにもう一体、小さいマーライオンもあって、背中合わせに建てられている。


 マーライオンが吐いているこの水、海に近いけれど実は淡水。

 島国シンガポールにとって、ここは大切な貯水槽でもある。



 マーライオンの視線の先には、マリーナベイサンズの宙に浮く船型ホテルが見える。

 

 本当は、彰人とあそこに泊まるはずだった。


 ふん! あんな物、壊してやる!


 パンチする写真を一枚。

 大してスッキリしないけど、まあしょうがない。


 最後にマーライオンと後ろのビル群を同じフレームに収めた。

 

 埋立地に聳え立つ摩天楼。

 

 夜景が楽しみだわ!

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