第一章5話 中年は人を見つけ幸せを感じるがそれは不幸の始まり
ナノマシンが大気中を散布されているらしいが現状レイが言うには互換性が取れないらしく、ただあるとしかわからなかった。
結局、士道は散策のため膝下くらいの水深のところで川を渡って南へ下っていた。
南と言っても大体で太陽の位置と試し切りした木の年輪から判断したものだ。
「レイさんや、さっき言ってた辺鄙な施設に移送されたって話だけどそれがどこかわかる?それがわかれば大体の位置はわかるんだけど。」
『あ、それはですね。なんと!奈良県吉野です!なんと南都です!うまいっ♪』
つまらないダジャレをぶっ込んでくる辺りレイの人工知能基礎データを作成した科学者のお笑いレベルの残念さが忍ばれる。
「レイさんや、そう言うのを親父ギャグって言うから思いついても言わないでおこうね。歳がバレるよ。あ、AIに年齢はないか。」
『失礼なっ!私はピチピチのギャルですよぉー!何なら映像化しましょうか?と言ってもマスターにしか見えませんけど。』
「ピチピチのギャルね。完全に言ってることがオヤジだわ。はいはいOKです。君と話してると無駄に疲れていくような。」
『むむぅー。バ・カにしてますね...そんなんだから、「なぁレイさんや」みたいなオヤジくさい口調になるんですよ!』
「だからリアルにオヤジだって俺。あ、今は違うのか記憶だけオヤジ、体は青年。ねぇ18歳位って青年?少年?」
『どっちでも良いです!エロガキ真っ盛りとでもしておけば良いんじゃないですか!』
「ゴメン!ゴメンって。女性に歳を聞いた俺が悪かった!ギャルですよ。ギャル。あなたはギャル!確定!疑念の余地なーし!」
『解れば良いんです、解れば。』脳内でレイがドヤ顔しているようだ。とくたびれていると、
『マスター!朗報です。大気中のナノマシンをある程度支配下に置きました。これにより広域検索が出来ます♪まだ3km程度ですけど。そして生命反応ありです!人間ですよ、この反応!キタキタキター!!』
「やっと第一村人発見ってヤツですか!レイちゃん天才!」
『でしょ!褒めるときはうーんと褒めるといい仕事しますよ♪あ、ダメな時もまず何か褒めてから一つ訂正みたいにすると尚良しです。後、この人生命反応が弱いですね、、、死にかけ?』
「おいおいおい!いきなりやばいじゃないか!折角見つけた生き残り。この際男で女でも子供でも年寄りでも何でも良いから、兎に角猛ダッシュ!」
士道は必死で走った。セリヌンティウスではなく誰かもわからない人の為に。
一人の男が倒れている。古びた布製の上下に古びた靴、短く整えられた金髪、歳は30代位か、適度な筋肉がついており荷車が1台。農民か荷運びの業者か。士道は現状把握を瞬時に行う。恐らく熱射病だった。近くの木陰に運び首、脇、太腿と水を掛けて冷やした後、かろうじて意識のある男に男に水を飲ませた。
男は息も絶え絶えに「みず、、、」と言った。再度一口含ませてマントを枕代わりにして寝かせる。ある程度休ませると容態が落ち着いたのか男は士道を見て話し始めた。取りあえずこの世界でも日本語が通じることに一安心しつつどう見ても西洋人の彼がどうして日本語がを流暢に話すのか、不思議な気分だった。
「アリガト、兄ちゃん。助かったよ。ここら辺じゃ見ないた人だがアンタ誰だ。変な服と刀も持ってるし探索者か?でも刀を右腰に差してる辺り今日がデビューか、これから登録にいくのか?」
確かに士道は刀を右腰に差していた。素人丸出しと思われても仕方が無い。単に左利きなだけだったが。生まれてこの方まともに剣術なんて習うどころか振ってもいなかったので疑問にも思っていなかった。後に『左差しの死神』という二つ名で畏れられる事になるのだが、、、
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