第16話 拝啓 格上相手の戦闘は命懸けです

 翌日、昨日と同じように鍛錬をするため、僕はケビンさんたちと近場の平野まで来ていた。


「今日は初級魔法を練習するといい。【魔力操作】を覚えたなら、少しの工夫で低燃費・高威力の魔法が扱えるようになる」


「はい!」


 そして、僕が【初心者でもわかる魔法のいろは】を出してから、初級魔法の項目を読み始めると、ケビンさんたちは3人で鍛練を始めていく。


 その鍛練の仕方は、ケビンさんが土魔法でゴーレムを作り出したようで、セリナさんとヴィーアちゃんがゴーレム相手に戦闘をするといった感じだ。


 敵役となるゴーレムはケビンさんが操作をしているようであり、中々にクリーンヒットを許さないでいる。動きもどことなく滑らかで、対人戦のような印象を受ける。


「向こうも気になるけど、僕は僕で魔法の練習をしないと」


 ケビンさんたちのゴーレム戦に後ろ髪を引かれる思いはあるけど、僕は指南書に目を通し、各属性のうちの火魔法から練習することにした。


 そうと決めれば的となる物を準備するため、そこら辺に落ちている木の棒を地面に刺して、指南書を左手に持ち、的に右手をかざしてから詠唱を始める。


「えぇーっと……原初の炎よ 眼前のものを燃やせ 《ファイア》」


 すると、地面に刺した木の棒が火に包まれたので、僕はそれを見て呆然とする。


「…………」


 しばらく燃えている木の棒を眺めていたけど、じわじわと成功した喜びが湧き上がってきて、僕はガッツポーズとともに声を上げた。


「やった! できた!」


 初めて使った魔法が成功したことを嬉しく感じてしまい、年甲斐もなく1人で喜んでいたけど、その時にケビンさんたちから温かい視線を向けられていたことに、この時の僕は気づいていない。


「よし、次は威力を抑えられるように練習してみよう!」


 初めての《ファイア》は木の棒を燃やし尽くしてしまったので、新しく見つけた木の棒を地面に刺した僕は、ロウソクのような感じになるように、木の棒の先端に火が灯るような練習を始める。


 そこからは位置がズレたり、威力が大きくて燃やしてしまったりと苦戦してしまったけど、指南書に目を通し直してみると、イメージが大事という文言を見つける。


「イメージ……イメージ……」


 僕はロウソクの火が燃えるようなイメージをしながら、もう何度目かわからない《ファイア》を木の棒目掛けて放つ。


「……やった……成功だ……」


 ようやく狙い通りに火の調整ができた僕は、その後も何度か繰り返し練習をして、次の属性の水魔法に移ることにした。


 それから火魔法にて調整のコツを掴んだ僕は、水魔法も上手く放つことができて、次々と違う属性の魔法を練習していく。


 その後は昼休憩を挟んで、更に午後から同じように練習を積み重ねていくと、いつの間にか気づけば夕暮れとなっていたので、この日の鍛練はこれで終了となるのだった。


 そして、宿屋に戻った僕は昨日から日課にしようと決めている魔力操作の練習をしながら、今日の出来事を振り返る。


「父さん……ようやく異世界モノらしく、魔法を使えるようになったよ」


 ケビンさんに出会えたことは、僕にとって大きな収穫と言える。今まで使えないと思っていた魔法が使えるようになったのだ。


 僕はケビンさんに感謝しながら、この日は眠りにつくことになったのだった。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 僕の鍛練が始まってから1週間後、ケビンさんの指導の下で行われる鍛練によって、僕は今までの鍛練は何だったのかと思えるくらいに、大きく成長を遂げていた。


「どうだ、クキ。レベルアップだけがステータスを伸ばす方法じゃないってわかった感想は?」


「元の世界でも日々の努力が大事って言ってましたけど、この世界に来るとそれが目に見えてわかるから鍛練にも気持ちが入ります」


「まぁ、レベルアップに比べると微々たるものだが、塵も積もれば山となるって言うしな。積み重ねればレベルアップ相当量に伸ばすこともできるし、同レベル台の奴らとの差もつけることもできる」


「ちなみにケビンさんのレベルって幾つなんですか? 僕はまだ15ですけど、全然歯がたちそうにありません」


「これは秘密で頼むぞ? 俺の場合はちょっと特殊でな。限界突破をしていて、レベルは多分100を超えている」


「げ、限界突破!?」


 ケビンさんから告げられた“限界突破”という単語を聞いた僕は、驚きで目を見開いてしまう。そしてケビンさんは、この世界の法則を教えてくれるのだった。


「この世界の最高レベルは100までだ。どんなに頑張っても100を超えることはない。あとは鍛練次第でステータスだけが伸びていくのみだな」


「はぁぁ……ますますケビンさんに勝てる道筋が失われてしまいました。何だか1撃当てるだけでも無理そうです」


「まぁ、戦ってきた年数が違うし、そこは言っても仕方がないだろ」


 それからケビンさんは僕に対してスキルや魔法であれば、条件さえ満たすことができたら限界突破が可能であることを教えてくれて、僕はそれを目標として頑張ることに決めるのだった。


「そういえばクキは、ドワンさんに刀の製作を頼んでるんだろ?」


 ケビンさんから問われたことに僕は嬉々として返事を返す。


「はい! やっぱり日本人と言えば刀ですよね!」


「あまり待たせるのも良くないから、今日からは実践練習に入るか」


「実践ですか?」


「ああ。鍛練もできて、お金も稼げる。これ以上ないくらいの修行だろ?」


「確かに……いつでもいいと言われていますけど、待たせるのは良くありませんね」


「そうと決まれば、魔物討伐に向かうぞ」


「はい!」


 それからの僕は、ケビンさんたちと魔物の討伐に向かうことになる。一旦ギルドに戻ってからクエストを受けるのかとも思っていたけど、今日はそのまま魔物討伐に向かうらしい。


「明日からは適度にクエストを受ければいいさ。たかが1日クエストを受けなくても、素材さえ売ってしまえばクエストの報酬金は問題ない」


「ふふっ、ケビンさんのお手軽金策ですね」


「魔物、狩る、お金」


「素材を売るって、そんなに稼げるもんなんですかねぇ」


 どうやらクエストを受けなくて魔物を討伐していく方法は、ケビンさんのいつものやり方らしく、セリナさんやヴィーアちゃんは知っているやり方のようだ。


 そして、この時の僕はケビンさんのお手軽金策を舐めていたことに、後になって後悔するのだった。


「よし、とりあえず転移するぞ」


「え――」


 すぐ傍の森に入っていくのかと思っていた僕は、ケビンさんの言葉に反応する前に、ケビンさんの使う転移によって巻き込まれてしまう。


 そしてやってきたのは、見渡す限りの山岳地帯だった。


「……ここは?」


「ロックタートルやらワイバーンやらが棲息している地域だな。たまにグリフォンとかも飛んでいたりするぞ」


 ケビンさんの言葉によって、僕の思考は停止する。


「…………は?」


「討伐しにくいから素材価値が高くて、高値で売れるんだ」


 それでもなんてことのないような感じで語るケビンさんに、再起動を果たした僕は慌てて抗議を入れるのだった。


「ちょ……いやいやいや! な、なんて所に連れてくるんですか!? それってBランクやら、Aランク冒険者のパーティーが討伐する魔物でしょう! 僕はDランクですよ!?」


「俺はXランクだから問題ない」


 しれっと言ってのけるケビンさんに、僕は同伴しているセリナさんやヴィーアちゃんを掛け合いに出してみる。


「セリナさんやヴィーアちゃんはどうするんですか!? ヴィーアちゃんなんて、ちょっと前に冒険者登録をしたばかりですよ!」


「セリナのランクは?」


「私はBランクですね」


「な? 問題ない」


 ここで引き下がってなるものかと、僕は頼みの綱であるヴィーアちゃんのランクを主張した。


「ヴィ、ヴィーアちゃんはFランクですよ!」


「ヴィーアは実質的に最低でもAランクの実力だぞ」


「…………え?」


「A」


 いやいや、ヴィーアちゃん。その「え」じゃなくて、疑問の「え」だからね?


 というか、ヴィーアちゃんが最低でもAランクってどういうこと? 見た目通り子供だよね? まさか大人が変装しているってことはないよね?


「ヴィーアは元々暗殺者の長をしていたからな。セリナよりも強い。俺も下手したら殺されるところだったし」


「う、うそ……」


「ぶい」


 ケビンさんが殺される状況っていったい何っ!? というか、1人で国を滅ぼせるって言われている人を殺せるヴィーアちゃんって何者っ!?


「ついでにセリナも俺を殺しに来た元暗殺者だ。まぁ、返り討ちにしたけど」


「ふふっ、ケビンさんの反撃に遭って、もうメロメロです」


 いやいやいや、セリナさん。何で体をクネクネさせながら頬を赤く染めてるの? いったい、その返り討ちって何をされたの!?


「な? やっぱり問題ないだろ?」


「いやいや、問題ないどころか、ケビンさんは自分を殺しに来た暗殺者をお嫁さんにしたんですか!?」


「改心したんだし、殺すには惜しいだろ? フィリア教団に帰したところで、粛清が待っているだけだしな。そうなると、嫁にして守ってやるしかないだろ」


「フィ、フィリア教団!? フィリア教団って、あのフィリア教団ですか?!」


「フィリア教団がいっぱいあるかどうかは知らないが、セレスティア皇国のフィリア教団だ」


「フィリア教団って、暗殺者を差し向けるような宗教団体だったんですか!?」


「そうだな。上の方は闇鍋みたいに真っ黒だぞ。クキも追い出されたんだから、そこら辺はよくわかってるだろ」


 もう、驚きの連続である。確かに僕は神殿から追い出されたけど、そこまで真っ黒な団体さんだとは思ってもみなかった。


 そうなってくると、残っているクラスメイトたちが心配だけど、さすがに暗殺はされないだろう。僕と違って勇者なんだし。


「ということで、セリナとヴィーアの実力は折り紙付きだ。なんせ、元暗殺者なんだからな」


「そう……ですか……」


 もう色々なことを暴露されてしまった僕は、もの凄く疲れてしまった。


「だから、クキのフォローは俺たち3人がするから、心置きなく戦ってくれ」


 そうだった……その問題が残ってた……


「どうしても戦わなきゃダメなんですか?」


 とてもじゃないが勝てる自信のない僕は、何とかして遠慮したかったのだが、ケビンさんは満面の笑みを浮かべて、僕を崖下に落とすのだ。


「大丈夫。俺が付いている限り、死にはしない」


 どうやら戦わないという選択肢は取れないらしい。


 こうして僕は、身の程を弁えろと言われても仕方がないくらいの魔物相手に、戦いを挑むのであった。


「よし、出発だ!」


 ハイキング感覚でウキウキと歩き始めるケビンさんと、ケビンさんの腕を絡め取り隣を歩くセリナさん。更には、反対側でケビンさんの手を握って隣を歩くヴィーアちゃん。


 傍から見ればとても仲の良い親子のハイキングに見えてしまうけど、僕はケビンさんの後ろを言い知れぬ不安感とともに、とぼとぼと追いかけるように歩いていた。


 そして、いったいどこを目指しているのかわからないけど、迷いなく歩いていくケビンさんのことだから、きっとこの先には会いたくない魔物がいるに違いない。


 そのような当たって欲しくない予感を感じながらも歩いていくと、そいつが視界内に入ってしまう。


「よし、比較的弱いロックタートルだぞ。あいつは外皮が硬いだけのドンガメだ」


 ケビンさんが視界内にいるロックタートルの説明をしてくれるけど、僕の目にはとても弱い魔物とは思えない巨体のカメさんが映っている。言うなれば、一戸建ての大きさの魔物に立ち向かう僕。明らかにおかしい……


「ケビンさん……ちなみに注意点とかは……」


 どうあっても戦わないといけないようなので、僕はせめて死ぬ確率が下がるようにと、ケビンさんに注意点を尋ねてみる。


「あいつが体を起こして両前足を大きく上げたら、地震攻撃の前兆だ。あとは、魔法を使ってくるけど、避ければいいだけだからあまり気にするな」


 あまりにも簡単すぎる注意点……簡単すぎて逆に怖い。


 地震攻撃って何!? 地に足をつけている僕たちの天敵じゃないか。しかも、魔法は避ければいいだけって……それって、できる人が言う簡単なアドバイスですよね!? できない人のことは考えられてないですよね!?


「よし、行くぞ!」


 ケビンさんは僕の苦悩など気づきもしないで……気づいてても気にしない気もするけど、ロックタートルに先制攻撃の魔法を撃ち放っていた。


 乱れ飛ぶ魔法の矢を受けたロックタートルは、こちらに体の向きを変えると、僕たちを敵として認識したようだ。


「グアアァァァァ!」


 響き渡る咆哮、動き出す巨体。僕は震える脚を両手でそれぞれ叩くと、ケビンさんたちの後を追うのだが、ケビンさんはサポートに回るためかバフをかけてくれて、その後は空を飛んで――


(…………え? 空を飛んでるっ??!! ちょ、それズルくないですか!? 地震攻撃とか関係ないじゃないですか!)


「セリナ! 無理はするなよ!」


 ケビンさんから声をかけられたセリナさんは、勇猛果敢にロックタートルへと間合いを詰めており、硬い外皮に剣閃を走らせているが、ケビンさんの言葉で頷く素振りを見せていた。


 そして、ヴィーアちゃんは…………


「いない……?」


 最低でもAランクの実力と言われていたヴィーアちゃんが、どういう戦闘をするのか気になったから、僕は立ち止まり辺りを見回すものの、ヴィーアちゃんの姿を見つけることができない。


「クキ! 呆けてないで参加しろ!」


 ヴィーアちゃんを探すために立ち止まっていた僕に、ケビンさんの叱咤が飛んでくる。


「はい!」


 再び走り出した僕はロックタートルに近づこうとするが、既にロックタートルの周りには魔法陣が浮かび上がっていた。


(あれが魔法攻撃か!)


 ケビンさんが避けるだけと言っていたので、何かしら飛んでくるのだろうと身構えていたら、それは僕の予想を遥かに上回るもので、魔法陣が一際光を放って撃ち出してきたのは、バスケットボールサイズくらいはありそうな岩石群だ。


「ちょ……」


 明らかに《ロックバレット》であろう魔法なのに、飛んでくるものは石礫ではなく岩石という災害級である。


「うわっ! 待っ……やめ……」


 雨あられのごとくとは、まさにこのことを言うのかもしれない。どんどん降ってくる岩石を、僕は必死になって目まぐるしく避けていく。


 それはもう、これ以上ないくらいの必死さだ。仮に1発でも当たってしまえば、恐らく致命傷である。というか、即死?


 だけど、ケビンさんのバフのおかげで僕でも避けられるくらいにはなっているのだが、それでも結構ギリギリの綱渡り状態だ。


 そして、ようやく避け続ける試練が終わったので、僕はロックタートルに近づくため再び走り出した。


「グギャアアァァァァ――!」


 いきなりロックタートルが咆哮をあげたので何事かと思いきや、後ろ足が滅多斬りにされている。


(え……? 確かセリナさんは前足を斬っていたはず……もしかして、ヴィーアちゃん……?)


 未だヴィーアちゃんの姿を目撃できない僕は、ヴィーアちゃんがいつロックタートルの後ろ足を斬ったのか把握できない。


 このままではケビンさんにまたどやされてしまうので、僕はセリナさんとは逆の前足に向かって走っていき、渾身の一太刀を浴びせる。


「うそっ!?」


 僕の渾身の一太刀は大した威力ではなかったみたいで、ロックタートルの前足を浅く斬りつけるだけに留まっている。


 それはあまりにも想定外の出来事だったので、僕はもう1度前足に向かって斬りつけた。しかし、ロックタートルの前足は、ちょっとした切り傷が2箇所ついているだけだ。


「何でっ!?」


 困惑する僕に空から天の声が届く。


「クキぃ……外皮が硬いって教えただろ? パワーが足りないなら、同じ箇所を斬りつけて傷を深くするんだ」


「はい!」


 ケビンさんからのアドバイスを受けた僕は、同じ箇所を斬りつけるために剣を振るう。でも、ロックタートルだって、ただじっとしているわけではないので、僕のちまちました攻撃を鬱陶しく感じているのか、前足で踏み潰そうと動かしてくる。


 そうこうしているうちに、再びロックタートルの魔法攻撃が準備され始めたので、僕は安全に避けるために距離を取った。


 身構えている最中に少し視線を外してみれば、セリナさんも距離を取ったみたいだ。


 すると、ロックタートルの魔法攻撃が発動して岩石避けの試練が始まると、ロックタートルが立ち上がるかのように体を起こしたかと思いきや、元の体勢に戻る勢いに体重が乗って、一気に前足を地面に叩きつける。


「地震攻撃かよ!」


 あくせく岩石を避けているところでの地震攻撃。僕は思いのほか強い揺れに足を取られてしまい、バランスが上手く維持できないでいると、そこへ当てつけのように岩石が飛んでくる。


「くっ……《ウインド》からの、大いなる大地よ 壁となりて 我を守りたまえ《アースウォール》」


 飛んでくる岩石に向かい風をぶつけて飛来する威力を削り、更に土壁を作って直撃を受けないように工夫した。


 ここ1週間の魔法練習にて【詠唱省略】のスキルを取得していたので、そのおかげか僕は九死に一生を得る。未だスキルレベルが低いから、基礎魔法くらいしか省略できないけど、基礎魔法すら詠唱していたら、さっきの窮地は間に合っていなかったと思う。


 そして、咄嗟の判断で魔法を使ったけど、これが思いのほか効果があったようで、僕は《ウインド》による向かい風を行使しながらの回避に努めた。


 その後は、ヒットアンドアウェイを繰り返しながら前足を攻撃していき、気がつけばロックタートルは物言わぬ屍と化していた。


(僕が前足1本使えなくする前に倒されてしまった……きっとヴィーアちゃんだ。結局1度も戦っている姿を見ることができなかったし……)


 ヴィーアちゃんとのあまりの実力差に若干へこんでしまうと、そのようなところへケビンさんが声をかけてきた。


「クキ、魔法を使った回避行動は良かったぞ。それ以外はステータスがまだ低いだけだから気にするな」


 まさか褒められるとは思わずに僕はキョトンとしてしまい、それを見たケビンさんは笑っていた。


「クキの実力が足らないことは百も承知なんだ。だから、褒めるべきところは褒めるし、叱るべき時は叱る」


(飴と鞭ってことかな?)


 その後も適度に魔物を見つけては戦闘を繰り返し、キリのいいところで僕たちは街へと戻り、冒険者ギルドに素材の売却をする。


 すると、ケビンさんが言った通りで、クエスト報酬がなかったのに、それなりの金額に達したことが驚きで、「お手軽な金策」と言われていたことを理解した。


 それからギルドでケビンさんたちと別れたあとは、宿屋へと戻り1日の疲れを癒すのだった。


「父さん……今日は格上相手にみんなで協力して挑んだよ。ヴィーアちゃんを見つけることができなかったけど、いい経験にはなったと思う」


 こうして、ベッドで今日の戦闘の反省会をしながら、僕は眠りについたのであった。

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