レベル17
「こんな偶然が起こるなんて、今でも信じられません!
継母の、お姉さんの息子さんがマサトだとは!」
オレも驚いたよ。母さんに双子の妹がいて、アメリカに渡っていたとは。しかもフレイアのお父さんと結婚していたなんて。
でも、姉妹で流派の事で揉めて、
だからオレに双子の妹の事を言わなかったんだ母さんは。八極合気の宗主として、母さんは昔の伝統を守ろうとした。八極合気をする人が少なくなって危機感を抱いた
ふとエリーを見ると、怒った顔でオレを睨みつけている。きっとオレが、フレイアの技を知っていたのに言わなかったからだ。
何て説明したら……。
「そのうエリー……」
「分かっているわよ、言わなくても!
フレイアが同じ技を使っていたので不思議に思って、それでTWにログインしたって。それにマサトは、生んでくれたお母さんに、双子の妹が居たなんて知らなかったんでしょう?
あれ……。それって、フレイアとは義理の
あ……、そうなる。
フレイアを見ると、オレを見つめ返している。目を大きく見開いて。
「あのう、もしかして正和君なの?」
ジュリアがオレに近づいて来た、懐かしそうにそうに言う。
えーと……、どこかで見た覚えがあるんだけれど……。
「忘れたの正和は? もうやだ〜、私達恋人同士だったじゃないー。覚えてないの?」
え……?
もしかして……、真弓ちゃん?
小学校の時、同級生だった子だ。電車の中で中学生の不良から真弓ちゃんを助けて以来、オレに付きまとっていた。中学になると真弓ちゃんは転校した。
「真弓ちゃんだよな。
でもジュリアって……、名前を変えたのか?」
「私はアメリカ人と日本人のハーフなんだ〜。日本の名前は真弓で〜、アメリカの名前がジュリア。真弓はミドルネームにしているけれど。
でも驚いた〜。フレイアと正和君が従兄妹だってこと。フレイアは私の親友なんだ。
それで〜、そちらのお二人は正和のお姉さんと妹さんですよね〜?」
それを聞いたクレオは、喜んでオレとジュリアを交互に見た。
「私はクレオ。マサトの父親と再婚した相手で、エリーは私の連れ子。
先程から偶然が重なって驚く事ばかりだけれど、マサトに恋人がいて安心したわ」
「ちょっと待ってくれよ、クレオ!
それは小学校時代の話で、しかも付き合った事なんてないよ」
ジュリアはオレと腕組みをすると、満面の笑みで言う。
「私は構わないわよ、恋人になっても〜。
だって、相変わらず強いんだも〜ん」
「ちょっと待ってくれよ!
今は世界中が大変な時なんだよ。その話は後にしてくれないか?」
「ん〜、じゃね。私も、正和君達の仲間に入りたいんだけれどいいかな〜?
フレイア程強くはないけれど、アメリカ地区では、ベスト32まで残っていたから〜。
正和君と別れて、あれから自分の身を守る為に剣術を一生懸命習っていたんだ〜」
クレオがそれを聞いて3人に聞いてくる。
「私は賛成だけれど、エリーとフレイアはどう思う?」
エリーがすぐに言い始める。
「私は賛成。人数が多ければ、それだけパティーの安全性が高まるから」
フレイアは何故か少しだけ考えている。何か引っかかるみたいだ。
「私も賛成です。ジュリアとは同じ剣術道場に通っていました。試合をすると、時々負かされる事がある程ですから」
フレイアがそう言うと、みんながこっちに顔を向けて好奇心のある目で見ている。エリーの言う通り、多ければ安全性が高まるのは間違いない。
でも更に、トラブルを呼び込む気がするんだが気のせいか?
「みんなが賛成ならオレはそれでいいと思う。
でも、同じ部屋で寝る時があるかもしれないけれど、それでもいいのかジュリアは?」
イミシンの笑顔でジュリアはオレに言う。
「全然問題ないわよ〜。
マサトって呼ぶんだよね〜。マサトとだったら〜、どこまでも一緒に行きたいから〜」
ちょっと待ってくれよ。さっきの言葉って、とっても深〜〜い意味の事を言った気がするんだけれど?
キュゥ〜、グルグルグルー。
何の音かと思ったら、クレオのお腹がなったみたい。お腹を抑えながらクレオが言う。
「そうと決まれば、食事ね。
ダンジョンで少し回り道をしてしまって、食事の時間が遅れてしまったからお腹がペコペコ」
誰のせいで回り道したのか自覚がないのかクレオは?
「それでしたら、ここにあるレストランに行きましょうよ。
フライドチキンだけは凄く美味しいですよ」
フライドチキンだけ美味しい……。
それって、他のメニューは不味いってって事?
それから俺たちはレストランに行って、大量のフライドチキンを注文して食べた。たしかにここのフライドチキンは凄く美味しかった。けれど、少しだけ野菜料理を頼んだら、超がつくほど不味くて、一口しか食べれなかった。
食事が終わって、コーヒーを飲みながらサラを画面から召喚した。予定よりも餌をあげる時間が過ぎていたのでサラはしきりに鳴いている。
「ピィー、ピィー。ピィー、ピィー。ピィー、ピィー」
芋虫をお腹いっぱいに食べさすと、サラは眠たそうに瞼を閉じっていった。
宿屋に行くと満室で、しかたないのでジュリアが泊まっている部屋で寝ることに。
しかし、ジュリアが泊まっていた部屋はとても狭く、寝袋を敷き詰めると荷物がやっと置けるだけの広さしかなかった……。
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